『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』で知る、米国で約50年前に起きた文書隠蔽問題 古川ケイの「映画は、微笑む。」#43
と共になんとか会社を立て直そうとする。
そんな中、彼女はライバル紙『ニューヨーク・タイムズ』の大スクープを目にする。
それは、1967年に当時のアメリカ国防長官であるロバート・マクナマラの指示で作成されたベトナム戦争について客観的に調査・分析する文書、通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の内容の一部だった……!
ライバル紙に先を越され、焦ったグラハムとブラッドリーは
7000枚に及ぶ「ペンタゴン・ペーパーズ」の残りの文書を独自に入手し、全貌を公表しようと奔走する。
だが、当時の政権を握るニクソン大統領があらゆる手段で記事を差し止めようとするのは明らかだった。
政府や旧友を敵に回してまで、記事にするべきか。報道の自由、信念を懸けたグラハムは決断を迫られ……。
◼︎見どころは新聞社のスクープを巡る葛藤
本作の見どころは特に「ペンタゴン・ペーパーズ」を手にした、ワシントン・ポストのグラハムの葛藤にあります。
政府の機密文書を先に掲載したライバル紙、ニューヨーク・タイムズが国家の安全保証を脅かすとして、ニクソン政権から記事の差し止め命令を受けた中、残りの文書を公表すれば法的措置を取られる可能性があり、グラハムは厳しい判断を求められることに。