「ダサい服は着たくない」障がいのある人のファッションに光をあてる理由
自分の好みや体型に合ったファッションを、思い切り楽しみたい――。
こんなありふれた願いを、「身体に障がいがある」という理由で諦めなくてはいけない人たちがいます。
「障がい者用のダサい服は、もう着たくない」
そんな声を聞いて立ち上がったのが、ファッションデザイナーで「a.ladonna.(アラドナ)」の代表、加藤千晶(かとう・ちあき)さん。
ファッションブランド「a.ladonna.」の代表を務める加藤千晶さん。
「障がいのある人のために服を作ろうとすると、どうしても“介護者に寄り添った服”になってしまう。それは機能的なだけで、デザインとしてはダサいことが多いんです」
加藤さんはこう話します。
その現実を目の当たりにしたとき、培ってきた自身のデザインが役に立てるかもしれないと一念発起。“障がいのある方と共に着られる服”をテーマに、新しいライン「a.ladonna.+(アラドナプラス)」を立ち上げました。
ここでは、そんな加藤さんの怒りを抱えながら疾走したアパレル時代、人から必要とされる喜びに目覚めた今、そして一歩先に描いたビジョン……など、彼女のヒストリーに迫ります。
■“怒り”が仕事への原動力だった
——加藤さんが幼い頃から描いていたというデザイン画を拝見したのですが、「本当に子どもが描いたの?」