くらし情報『映画『ナポリの隣人』感想。幸せの行方を問いかける味わい深いヒューマンドラマ!』

映画『ナポリの隣人』感想。幸せの行方を問いかける味わい深いヒューマンドラマ!

こんにちは!アートディレクターの諸戸佑美です。

「ナポリを見てから死ね」ということわざを聞いたことがありますか?

ナポリの風光を見ずに死んでしまっては、生きていた甲斐がないという意味ですが、南イタリアの玄関口ナポリは、温暖な気候と美しい風景が多いことから観光都市として知られています。

ナポリ湾一帯の景観の美しさに加え、世界遺産にも登録されたナポリ歴史地区が存在、紀元前から築かれた建築物や彫刻などぜひ目にしたいものですね。

【シネマの時間】第55回は、そんなナポリを舞台に現代に生きる人々の心の闇を描いた話題作、映画『ナポリの隣人』をお送りします!

『小さな恋人』『家の鍵』『最初の人間』など人と人とのつながりを、時に冷徹に、時に優しさを込めて描いてきたイタリアの名匠ジャンニ・アメリオ監督の最新作。

母の死が原因で不仲になっていた父と娘が、父の隣家の家族に起こった事件をきっかけに、不器用ながらも関係を少しずつ見つめ直していく姿が愛おしく心に迫ります。

わかり合えず、すれ違い、他者との関係が希薄になった社会のなか、心の繋がりや愛を渇望している人々。

本作においては誰もが孤独ですが、映画の終盤で、娘のエレナがアラブの詩人から引用する「幸せは、目指す場所でなく帰る家だ」

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