■白いTシャツは一番緊張する
私がティーンエイジャーの頃だっただろうか。
「白のTシャツ+デニムだけで輝ける女性を目指そう!」というファッション雑誌の記事タイトルがあった。
なんてカッコいい考え方なんだろう!と思った私は、その言葉がずっと頭の片隅にあったのだと思う。
ごまかしの一切効かない服。自分という女の素材そのものも、自分の内面さえも、もろに表に出てしまうシビアなファッション。そう簡単に着ることはできないんだ───。そういう苦手意識のようなものが育ってしまった。
それでもまだ20〜30代の頃は、夏の休日に白いTシャツ+デニムだけで過ごしたこともあった。
子育て中にはじゃぶじゃぶ洗える白いTシャツをたくさん持っていた。
けれど、40代に入ると白いTシャツを着ることは途端に厳しくなった。
「がんばってる。必死」という感じが滲み出るようになったのである。
「今日は白いTシャツを着よう」と思う日が、一番緊張する日になってしまった。
襟ぐりが開き、袖もフレンチスリープ、ウエストがシェイプされているDoCLASSEのTシャツ。パイソン柄のバングルやステラマッカートニーのバッグで辛口に。