10月3日、東京ステーションホテルがリニューアルオープン
国の重要文化財に指定されている東京駅丸の内駅舎の保存・復原・工事に伴い、06年に休館した「
東京ステーションホテル」が、10月3日、美しく生まれ変わってグランドオープン。駅舎の地下2階から地上4階(一部)に位置し、全150室。直営店をはじめ10店舗の料飲施設を備え、フィットネス&スパを新設。宴会場やビジネスセンターも有するなど、国際ホテルにふさわしい設備を整えた。
外観イメージ
客室は、歴史的建造物にふさわしくヨーロピアン・クラシックがコンセプト。平均40平方メートルとゆとりある広さを誇り、高い天井と縦長窓が印象的。駅舎内というロケーションを生かし、復原したドーム内部のレリーフを見渡せるドームサイドの客室やメゾネットなど全6タイプを用意する(1室30,030円~)。バスルームは深めのバスタブに洗い場を併設したジャパニーズ・スタイルで、使い勝手の良さも抜群。
ドームサイド客室
長い客室廊下は、ヒストリーギャラリーとしてもの要素も大。東京駅に関する歴史資料や名画がずらりと並び、中には旅行雑誌『旅』に掲載された松本清張氏の『点と線』第一回連載ページ(複製)と、トリックに使われた特急「あさかぜ」の時刻表(複製)も! 鉄道マニアだけでなく、清張ファンには垂涎ものだ。
廊下イメージ
宿泊者専用として、今回新たに登場したのがゲストラウンジ「アトリウム」。駅舎中央部の大屋根裏を活用、天窓から光が降り注ぐ開放的な空間で、朝食をサーブ。壁の一部には1914年の駅舎創建当時からの赤レンガをそのまま見えるようにするなど、風情もたっぷり。
アトリウム
10か所あるレストランの中でも注目なのが、2階南側に位置するフランス料理「ブラン ルージュ」。シックでエレガントなインテリアながらレストランの中で唯一線路が見渡せ、このホテルならではのスペシャルな場所と言えよう。
ブラン ルージュ内観
ここでいただけるのは、伝統的技法を用いながらもモダンなセンスを取り入れたフランス料理。東京駅という場所を考慮し、短時間で楽しめるランチメニューの「Blanc(ブラン)」は、お重に美しくおさまった前菜やサラダに、スープ、メイン(魚もしくは肉からチョイス)、デザート、コーヒー・紅茶・ハーブティーがセットになって4,800円。時間のないビジネスマンはもちろん、少しずついろいろ食べたいという女性の心を捕えそう。
フレンチ松花堂
休館前に愛された名店「バー カメリア」TP「ばら」の息吹を受け継ぐのが、バー&カフェ「カメリア」。「バー カメリア」の切り文字ロゴが壁に飾られた店内で、1915年開業当時の初代総支配人が生み出したビーフシチューがいただける。当時のレシピをもとに鮮やかに生まれ変わった「ビーフシチュー」2,580円は、牛肉や野菜のうまみがくっきり。ランチにも、お酒のお供にもと、11:30~24:00(23:30L.O.)の間中オーダーできるのもうれしい。
ビーフシチュー
泊りに、食事に、お茶をしに。どこで、どんな風に過ごしても、美しき歴史を感じさせるホテル、あなたは誰と訪れる?
■東京ステーションホテル
東京都千代田区丸の内1の9の1
TEL 03-5220-1111
http://www.tokyostationhotel.jp
取材/村上早苗