『推理作家ポー 最期の5日間』 ジェームズ・マクティーグ監督インタビュー
■繊細なところもありつつ、芸術家として我の強いジョン・キューザックのポー役はハマリ役だと感じたのですがどのようにしてキャストを決めたのでしょうか? また、役作りの上でそれぞれのキャストに何かアドバイスをしたことはありましたか?
ジョンはバラエティ豊かなジャンルの映画に出演してきた素晴らしい俳優だけど、彼のダークな部分が存分に活かされた作品はこれまでになかったように思う。
意外かもしれないけれど、ジョンはアメリカの有名な作家ハンター・S・トンプソンやイギリスのアーティスト、ダミアン・ハーストといったダークな作風で知られる人々と親交が深くて、彼自身もかなりダークな一面を持ち合わせているんだ。
そういった彼の側面をつつけば、興味深いポー像が出来上がるんじゃないかと思ったし、本人も大いに乗り気で役作りに熱を注いでいたよ。
やつれた風貌にするため減量して髪をボサボサにしたり、ゲッソリした顔に見せるために不健康そうな黄色いメイクを施したりと、見た目的にもあれこれ工夫を凝らしていたけれど、実際のポーに似すぎていないのがよかったね。外見をそっくり真似するのではなく、もっと内面的な、ポーの“精神”のようなものを体現していたのが素晴らしかった。