上司や先輩とのコミュニケーションで、失敗しない伝え方【伝え方が9割】
働く女性であれば、上司への報連相の伝え方にデリケートになった経験があるのではないでしょうか。その悩みに『伝え方が9割』の著者、佐々木圭一さんがお答えします!
■相談者1(34歳・会社員)仕事で上司への報告をしているにも関わらず、別の人からもう一度同じことを聞かれることがあります。これって、上司が私の報告を聞いていないから、上司がその報告を周囲に伝えてなかったってことですよね? 後輩育成のためにも、どう伝えたらわかりやすいのか、いつも悩みます。
■回答人は、意外と相手の話を聞いていないものです。うなずきながら、『今日のお昼ご飯は何を食べようかな』と考えている人も珍しくありません(笑)。ですから、人は自分が思うほど自分の話は聞いていない、という前提を理解したうえで解決するために使える技術は、以下の2種類になります。
1. クライマックス法
「これから大切な話をします」と前置きして、直後のコトバに注目してもらう方法です。クライマックスワードには、「これだけは(1つだけ)覚えておいてほしいのですが~」「ポイントが3つあります。
1つ目が~」等がありますが、いきなりメインの話をするのではなく、このワードを事前に言うことで、相手に最も重要な話がインプットされやすくなるのです。このクライマックス法は、ロケット発射直前の「3、2、1」と同じです。前もってカウントダウンを伝えることで、あなたの伝えたいことが的確に集中力を持って聞いてもらえるようになります。
2. リピート法
文字どおり、伝えたいコトバを決めて繰り返す技術です。重要なことは一度だけではなく二度、繰り返すことで、相手の記憶に残りやすくなるだけではなく、コトバにもエネルギーが生まれるものなのです。代表例がリンカーン大統領の有名な演説、「人民の、人民による、人民のための政治」。これは、「人民」という最重要ワードがリピートされたからこそ、聞く側は感情を揺さぶられ、記憶にも刷り込まれたのです。
伝えたいコトバを見つけることが苦手、という場合は、ニュースの報道番組をじっくりと観察してみてください。
大切なことは一度ではなく2度、繰り返しているはずです。繰り返しているのは偶然ではなく、意志的に、ということが把握できるはずです。