死とぎりぎりの息遣いが生の根源を描く「BRETH」池谷氏の写真を最初に観た時の衝撃は忘れられません。水の中のどこまでも静謐な世界。でも、水中では生きられない人間の凄絶さ、死に隣接しながらも、コポコポという呼吸の水泡とともに飛翔する生への希求、剥き出しの人間の根源のようなものが透けて見えて、息苦しくも強烈な解放感に満たされました。それはどこかしびれるような快感でした。
撮影現場であるスキューバダイビング訓練用のプールでは、2分間、絶対不動の姿勢がとられていたとか。趣味で世界中の海に潜ってきた池谷氏らしい方法論。撮影に6年間を費やしたという写真集
「BRETH」には、水中でも、水なしでも生きられない無防備な人間の姿が、驚くほど清冽に活写されています。生きることを問い直させられる写真集です。
写真集を繰ることで訪れることのできる、脳内の旅もすごく楽しいですよ。お気に入りの1冊を見つけて、ぜひ、あなただけの見果てぬ旅に出てみませんか?
紹介した写真集
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ドアノーの贈りもの 田舎の結婚式
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わたしの上海バンスキング
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BRETH
中居正広さん「親が必要なのって10歳までかな」「金置いといて、って」思春期男子の距離感に子育て中のママたち悲鳴