人が持つやさしさと、人と人とのつながりのせつなさに思わず涙する小説『ぶどうのなみだ』で癒されては?

そして、その気持ちはいつかアオにも伝わって…。お互いが大切な存在となったふたりのせつなさに、再び涙。

美しい北海道の自然と、物語にずっと流れ続けるやわらかな空気に包まれるように、読んでいる間、せつないけれど温かく、涙しながらも心地よく、最後まであっという間に読んでしまいました。

物語をとりまくひとりひとりの登場人物が皆それぞれにやさしく、いろいろな人がいるけれど、人って悪いものじゃないなと改めて思うことができたのが、何だかうれしかったです。

そして、物語に登場する北海道の野菜を使った食べ物の描写のおいしそうなこと。エリカがキャンピングカーで調理するシーンを読めば、誰でもきっと参加したくなるはず。そして必ずやワイン(もちろん赤)も飲みたくなります。

人が持つやさしさと、人と人とのつながりのせつなさに思わず涙する小説『ぶどうのなみだ』で癒されては?
この小説は、大泉洋主演で話題となった「しあわせのパン」から2年を経て、この秋に公開される、再び北海道を舞台にした映画『ぶどうのなみだ』の監督である三島有紀子さんが書き下ろしたもの。単なる原作ではなく、映画とはまた異なる楽しみ方ができるから、小説も映画もぜひ楽しんで。

秋の夜は何となく人恋しいもの。そんなさびしさを温かく包み込んでくれるような小説『ぶどうのなみだ』と赤ワインがあれば、ひとりでもステキな夜を過ごせるはず。読み終わった後は、“折り合い”をつけるばかりでなく、自分の心に素直になりたい、そんな気持ちも沸き起こるかも。

・ぶどうのなみだ
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