シャネルや資生堂の口紅が欲しくなるのにはワケがあった!? ブランド名や商品名が持つ力のヒミツとは【黒川伊保子】
一方、ニューヨーク・ブランドのエスティローダーも、言語では第一音節に光拡散のSが。日本人は、最初の母音eを一拍に発音してしまうのできづきにくいけれど、欧米語の語頭母音eは、後続の子音を強調する音響効果音になるので、エスティローダーも光輝く化粧品ブランド名と言えるそう。
さらに資生堂は、SHaよりも強く集中力のあるSHiに、さらにS音を重ねて、まぶしいくらいの光拡散を感じさせているとか。最後のDoの重厚感が、老舗の風格を表すとともに、働く女性たちのエグゼクティブ志向もくすぐっていると言われると、そんな気がしますよね。若い女性向けのキュートでリーズナブルなシリーズをいくら出しても、その高級感はけっして失われないと言われると、思わず納得する人も多いはず。
もしかすると、まるきり同じアイシャドウや口紅でも、全く違うブランド名の商品であれば手にとらなかったかも、そんなことまで生じさせてしまうのが、ことばの音の力。
その不思議をもっと知りたければ、ぜひ黒川先生の
『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』を読んでみて。確かにタイトル通り、人気の怪獣の名前(ゴジラ、ガメラ、キングギドラなど)には、ガギグゲゴという音がたくさん入っていますね。
この本では、そのヒミツが解き明かされているのです。
身近なブランド名や商品名が持つヒミツがわかるほか、仕事でネーミングなどを考える機会がある人にはきっと役立つはず。ぜひことばの音が持つ不思議な力に触れてみて。
まとめ:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方
※本コラムをもって、本連載を終了いたします。1年の間ご愛読いただきまして誠にありがとうございました。