青色申告のメリットって、何がある? (青色申告特集1)
青色申告をするためには、あらかじめ税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要がある。この申請書を提出していない人は、自動的に白色申告の扱いとなる。
それでは、青色申告にはどんなメリットがあるのか、順に見ていこう。
■青色申告のメリット(1)特別控除が受けられる再度、上記の図を見て欲しい。青色申告をすると、特別控除が受けられる。この特別控除は、帳簿つけを複式簿記でしていれば65万円、簡易簿記(※損益計算書に記帳する項目だけを記帳する方式)をしていれば10万円を課税所得から差し引くことができる。
「前者は65万円、後者は10万円、領収書を必要としないわけです。つまり、出金を控えられますよね? 平成26年1月からは、すべての白色申告者に対しても記帳義務と記録保存義務が適用されているので、青色申告と白色申告の手間は、かなりボーダレスになっています」
■青色申告のメリット(2)赤字の場合、3年間繰り越すことができる青色申告のメリット2つめは、その年の赤字を確定申告で損失申告することによって、向こう3年以内に出る所得と差し引くことができることだ。
具体例を出そう。
・2014年分から青色申告を開始
・2014年は30万円、2015年は20万円の赤字
・2016年は60万円の黒字
という場合、赤字を繰り越していないと、2016年の課税対象所得は60万円のままだが、2014年と2015年の赤字を繰り越しておけば、2016年の課税対象所得は、60 -(30+20)=10万円となる。この差は大きい。
「損失が出ているということは、資金繰りがつらい時期だと思いますので、青色申告の特典をしっかり使いましょう」
このほか、青色申告にすると30万円未満の減価償却資産は一括経費にできたり(白色申告の場合は、10万円未満が一括経費)、一定の届け出のもと、親族に給与が支払えたりするといった特典もある。
こういった青色申告のメリットを受けるために、すべきことには何があるだろう? 次回は青色申告を受けるための、具体的方法を指南します!