子どもの英語教育に! 英語で絵本読み聞かせ 絵本紹介22「The Family Book」
今回ご紹介する1冊は、『
The Family Book』/Todd Parr(著)です。カラフルな色使いとシンプルなタッチの親しみの感じられるこのイラストを、皆さんもどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか。
絵本作家でもあり、イラストレーターでもあるTodd Parr(トッド・パール)さんのつくるユーモラスな絵本は、アメリカではもちろん、日本で翻訳もされていて大人気です。多数あるシリーズの中で私がおすすめするのがこの1冊。邦題は『いろんなかぞく』です。
■さまざまな家族のあり方を学べる絵本ちょっとシリアスな話になりますが、日本でも今や夫婦の3組に1組は離婚しているといわれており、ひとり親家庭や再婚家庭、未婚の母など、家族の形態は非常に多様化しています。
そんな、多様化する家族のあり方に対する偏見を失くし、「家族にとって何が大切なことなのか」を考えさせてくれる絵本が、この『The Family Book』なのです。ぜひ親子で読んでいただきたい絵本です。
ページをめくると、さまざまな家族が出てきます。最初は見開きの左ページに「Some families are big.」(大人数の家族もあれば)、右ページに「Some families are small.」(人数の少ない家族もいる)といった、対比した家族構成を紹介するところから始まります。それぞれがわかりやすくイラストで描かれているので、小さな子どもでも想像ができます。
読み進めていくと、ひとつ屋根の下に住んでいる家族だけでなく、離れて暮らす家族や、大切な家族を亡くしてしまった家族などが出てきます。さらに、母子家庭や養子の家庭、お父さんとお母さんが2人ずついる家庭なども登場します。
現代では、子どもたちは実際に生活するコミュニティで、さまざまな構成の家族に出会います。家族のかたちは、1つではないのです。この絵本を通じて、そのことを子どもに、ごく自然に教えられるのではないでしょうか。
家族のかたちが異なっても、大切なのはそれぞれの家族が助け合って暮らしていくことなのだということ。そのメッセージを、この絵本を読み聞かせることで、子どもたちに伝えられるのが、一番の願いです。変に構えることなく、自然体で読んであげたい1冊です。