2015年11月に他界した漫画家・水木しげるさんをしのんで、女性にもオススメな、あまり知られていない水木しげる作品をご紹介。
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「浅野いにお」などの若手漫画家にも多大な影響を与え、近年では芸術的な観点からも高い評価を得ている水木漫画。
手の込んだ点描、執ようなほど細密に描き込まれた背景、それでいてギャグ漫画のようにファニーなデザインのキャラクターたちは老若男女問わず愛され続けてきました。
水木漫画の素晴らしい点は、その洗練された画風だけでなく、独特の空気感です。それは水木しげるの人生観が作品ににじんでいるからなのでしょう。
ぜひ、これを機に、おどろおどろしいのに面白い、それでいてどこか哀愁や懐かしさを感じる水木しげるワールドに足を踏み入れてみてください。
■「河童の三平」(ちくま文庫)
かっぱによく似た人間の少年・河原三平が活躍する物語。
緻密な背景の描き込みと、とぼけたキャラクター造形という、水木作品の特徴がとてもでている作品です。
ギャグもちりばめられた脱力系漫画かと思いきや、とても考えさせられる内容となっています。
■「のんのんばあとオレ」(講談社漫画文庫)
水木しげるが幼いころ、家でお手伝いをしていた通称・のんのんばあが主人公のコミックエッセイです。1991年、同名のテレビドラマとしてNHKで放送されました。
のんのんばあは、お化けや妖怪の世界のことに詳しく、幼いころの水木に多大な影響を与えました。彼女こそ、妖怪漫画家としての水木しげるの原点ともいえます。
そんな水木の、のんのんばあとの少年時代のエピソードは、おもしろおかしくて、どこか哀しく、忘れられない読後感を残します。