「残念なイケメン」に心がなごむ 不器用さにキュンとくる映画3選
「舟を編む」の不器用すぎる編集者を演じる
松田龍平の役者魂が神▼船を編む
監督:石井裕也
出演:松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー
名前からしてマジメでおかしい、出版社勤務の馬締光也(松田龍平)は、営業部で変り者扱いされていたのが、「右を説明できるか?」と辞書編集部のベテラン編集者、荒木(小林薫)に聞かれ、答えられたのが縁で辞書編集部へ異動。言葉の海を渡る舟に例えて「大渡海」と名づけられた新しい辞書のため、街に用語採集に出かけたり、語釈(言葉の意味)を書いたり、完成まで15年かけ、見出し語24万語の国語辞典作りに没頭していきます。
学生時代からの古い下宿は、廊下まで本だらけ。家主のおばあさんと猫のトラだけが友達だったのに、おばあさんの孫娘、香具矢(宮崎あおい)と出会って恋に落ちます。
編集部のノリの軽い西岡(オダギリジョー)にラブレターの添削を頼みますが、何と手紙は巻紙に筆文字。「何で筆選んじゃったの。戦国武将じゃねえんだぞ」と、のけぞる西岡。書き直すという馬締に「そのまま渡しちゃえよ。
インパクトはあるから」とそそのかします。
案の定、読めなくて怒る香具矢。謝る馬締。「手紙じゃなくて言葉で聞きたい、今!」と言われ、たじろぐ馬締に「今は今でしょ。辞書で調べたら?」と彼女。"今"を辞書で引こうとする彼に、「本当に調べなくていいの」。そして、馬締はおずおずと「好きです」と、やっと告白に至るのです。
辞書が中止になりそうになったり、脱字が見つかったり、監修の松本先生(加藤剛)が病に倒れたり、様々な事態を乗り越え、27歳だった馬締は42歳になり、ようやく発刊へ。
辞書(舟)を編集する(編む)人たちの感動エンタテインメントですが、私たちも感動の海を渡ること間違いありません。馬締を演じる松田龍平の歩き方に至るまで不器用な演技は、もはや神。そして、ブキッチョだけど誠実なこういう人、大好きだなあ、と思うのでした。
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