道産子ライターオススメの日本酒はこれ! 北の大地の嶺水が育んだ選りすぐり3品
■情感たっぷり「一夜雫」
寒冷地である道内には、しっかりと重い飲み口の日本酒も結構あります。たとえば「国士無双」や「国稀」、「男山」といったあたりがそう。
「国士無双」といえば旭川を代表する高砂酒造の銘酒ですが、その蔵元とっておきの大吟醸が「一夜雫」です。まず聞きほれてしまうのは、その製造方法。
北海道のほぼ中央、大雪山麓に1月上旬から中旬にかけて、氷室(ひむろ)と呼ばれるアイスドームが二晩かけてつくられます。その内部でもろみを詰めた酒袋をつるし、自らの重みだけで滴りおちる雫を集めるのです。
月光の下、雫の落ちる情景が何となく、目に浮かんできませんか? 内陸の旭川は、真冬ともなればマイナス15度なんてごく普通です。だからこそ、ほかに類を見ないフルーティな仕上がりになるのかもしれませんね。
すべて自慢のとっておきのお酒です。ぜひ味わっていただければと思います。