木枯らしを吹き飛ばせ! 熱い名演が聞けるクラシック3選
3月になったとはいえ、まだまだ寒い日々。最後の木枯らしを吹き飛ばすような熱い名演に身を任せて、一足早く春を迎えませんか? いつ聴いてもほとばしるような圧巻な演奏で、いやおうなしに感動の濁流へと放り投げてくれるのが、ヴィルトゥオーソ(名人)によるクラシックの醍醐味です。
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それでいて、まるで春風のような心地よさ。感動が血液や酸素のように体の隅々にまで行き渡り、自然に深呼吸したくなるから不思議です。そんな3枚をご紹介しましょう。
ジャン=ギアン・ケラスの
ドビュッシーとプーランクのチェロ曲が優雅でホット1967年、モントリオール生まれの
ジャン=ギアン・ケラスは、世界的に活躍し、日本でも人気の高いチェリストです。初めて彼の演奏を聴いた時、上手いのは当然として、こんなに惹かれるのは他のチェリストとどこが違うのだろう、と考えました。バロックから現代に至るまでレパートリーの幅が広く、時空を自在に行き来する魂の自由さ、そういう人が持つユーモリスティックな人間性が音楽に出るのかなあ、と思ったものです。
このCDは、ドビュッシーとプーランクのチェロソナタをはじめ、このフランス人作曲家2人の全チェロ曲という、非常に魅力的なラインナップ。ピアノのアレクサンドル・タローとともに、フランス音楽のエレガンスを細部に至るまで奏で尽くします。それでいて、決して甘ったるくありません。シャープで引き締まった緩急の技といい、ケラスとタローの絶妙な駆け引きの息遣いがダイレクトに伝わり、聴き手の心を熱くします。
2016年6月、来日公演。
バッハの「無伴奏チェロ組曲」その他を、6月17日銀座・王子ホール、6月18日八ヶ岳高原音楽堂、6月19日所沢市民文化センター ミューズ中ホール、6月22日杉並公会堂。
コダーイの「無伴奏チェロ・ソナタ」その他を、6月21日トッパンホール。
ディティユーの「チェロ協奏曲」その他を、6月24日サントリーホールで読売日本交響楽団と共演など。