離婚しても、子どもの苗字は自動的に変わらない? 女性が知っておきたい法律のこと
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年度替わりの3月は、離婚が頭をかすめる人も多い
2016年に入ってから、芸能人や文化人、はたまた国会議員まで、不倫にまつわるニュースが世間を賑わせています。夫婦の3組に1組は離婚しているというデータも有名ですね。年度替わりである3月は特に、離婚が頭をかすめる人も多いと聞きます。
それに関連して以前、実際に離婚をすることになると、おもにお金の面でどんな変化があるのかについて、特集を組んだこともありました。
【連載:「離婚」が頭をかすめた時に…特集】
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第1回 離婚してお金で得することは少ない
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第2回 離婚前に別居する時の注意点3つ
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第3回 離婚時の弁護士費用
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第4回 離婚をする時のお金はどうなるの?
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第5回 離婚後の生活の立て直し方
未成年の子どもがいる家庭で離婚にいたった場合、このほかにも子どもにまつわる法的な事柄がいくつも出てきます。たとえば、子どもの苗字(姓)が変わることもそうですよね。
しかし、「両親が離婚して母親が親権者となったからと言って、子どもの苗字が自動的に変更されるわけではない」ということ、ご存じでしたか?
子どもの苗字(姓)は自動的に変わるわけではない
『愛とお金と人生の法律相談』(島田 さくら、正木 裕美・監修/プレジデント社)によると、このように説明されています。
“父母が離婚しても子どもの姓は自動的に変更されません。ですから母親が親権者となり旧姓に戻った場合、親権者である母親と子どもの姓が異なるということになります。”
夫婦が離婚すると、妻は夫の戸籍から抜けますが、子どもの戸籍はそのままです。つまり、両親が離婚して、母親が子どもを引き取った(親権者となった)からと言って、子どもの苗字が必ず変更されるわけではないのです。
話し合いによる円満離婚(という表現が適切かどうかはわかりませんが)の場合、子どものことを考えて戸籍は移動させないという選択肢をとる人もいるようです。
ちなみに、子どもに母親の旧姓を名乗らせるためには、家庭裁判所に対して、「子の氏の変更許可」を申し立てて、子どもを母親の戸籍に入れる必要があります。
なお、女性も離婚後、「婚氏続称の届け出」を出せば、結婚していたときの苗字を名乗り続けることができます。
しかし、たとえその場合でも、法律上は「子どもの苗字と母親の苗字は異なる」という判断となるのでご注意を(ややこしいですが、たとえば、旧姓・田中さんが、同じ田中さんという苗字の人と結婚した場合、見た目は同じ「田中」ですが、戸籍は異なりますよね。わかりやすく言えば、それと同じようなことです)。
現在は夫婦同姓の制度下ですが、今後は夫婦別姓が認められるかもしれません。そうすれば、こうした問題も変わってくるでしょう。
・参考書籍:『
愛とお金と人生の法律相談』(島田 さくら、正木 裕美・監修/プレジデント社)