女性は男性より資産運用が上手? ~運用実績からわかる男女の違いと、女性の資産運用のコツ~
■2.気質の違い
個人差はもちろんありますが、一般的に男性は投資の分野でも「一発ホームラン」を狙いがちなのに対して、女性はシングルヒットの積み重ねを意識する傾向にあります。
2013年の米国フィデリティの調べでは、男性は女性に比べ自己の資産を100%株式に投資している人が多く、また先述のオッペンフォリオ社によると、男性の運用は、資産の増減が激しい傾向が出ているとのことです。
例を挙げましょう。
男性と女性が同じ10万円をもっていたとして、男性が大きく値上がりする可能性のある株を2銘柄買い、女性は配当の高い優良企業の株を2銘柄買ったとします。優良企業は1年間で各1割、値上がりしたとすると1年後、女性の資産は11万円になります。
一方、男性の購入した銘柄は、1銘柄は倍に値上がりしましたが、1銘柄は9割値下がりしたとすると、1年後の資産は10万5000円です。
一見すると2倍に高騰した銘柄をもっていたほうが、リターンが大きかったように思うかもしれませんが、結果は逆になります。リスクを管理し、大きな損失を防ぐことが投資にとって、とても重要なのです。
■3. ゴールを見据えて長期投資
米国で30年以上、個人投資家に投資アドバイスを行ってきたSallie Krawcheck(女性)は、「男性は競争が目的になりがちだけど、女性はゴールに対しての達成度を重視する」と言います。市場の動きや周りがどうしているかに関係なく、女性のほうが一旦決めたゴールへの意識が強いようです。
そのことは、売買頻度にも表れます。米国で、90年代にわたって38,000世帯の投資行動を調査した分析があります。それによると、男性は女性に比べ45%売買の頻度が高く、その成果は、年率0.94%ほど女性投資家を下回ったというものです。オッペンフォリオの分析でも、60,000人のうち、2015年1年間で男性が平均7.4回売買取引を行ったのに対し、女性は5.1回でした。
売買をしていないと「投資していない」と思う人もいるかもしれませんが、かの世界的に有名な投資家のウォーレン・バフェットも、「最上の投資は怠け者と紙一重」と言っています。行動を起こすばかりが投資ではありません。
日常の消費行動でのご自身の目利きをベースに、ゴールを見据えてじっくり長期投資を行う女性は、男性とは違った観点で、むしろ投資に向いている点が多々あります。
とは言え、誰にも相談せずに1人で考えるのは、ときにリスクになります。女性は投資に向いている、と自信を持って、必要に応じプロのアドバイスも活用しながら、自分に合った資産運用を模索していかれることをお勧めします。
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