罪になる? 子どもの感染症を友達にうつしてしまったら【教えて!弁護士先生】
■もし幼稚園や学校に預けて感染が広がったらどうする?
親が、感染症にかかった子どもを幼稚園や学校に行かせたことで、ほかの子どもに感染が広がり、学級閉鎖にいたった場合はどうなるでしょうか。
その場合でも子どもや親が刑事上・民事上の責任を負うことはほとんどないといえるでしょう。
まず、刑事責任については、理論上は「業務妨害罪の成否」が問題となります。しかしこれには
「故意に学級閉鎖させる目的で感染症にかかった子どもを学校に行かせた」というような場合に限られます。このため通常はありえないことといえるでしょう。
民事責任についても、不法行為が成立するためには、「故意または過失」「損害の発生」「行為と損害との間の因果関係」が必要になります。故意に学級閉鎖にさせる目的で感染症の子どもを学校に行かせ、さらに感染源が特定可能であるというような極めて例外的なケースをのぞき、学級閉鎖になったこと自体について、
子どもや親が損害賠償責任を負うことはないでしょう。
なお、学校などは、「生徒の身体・安全等に支障が生じないよう配慮する義務(安全配慮義務)」を負っています。
このため感染拡大が予想され、それを回避できる方策があったにもかかわらず、具体的な措置をせずに放置し、感染が拡大してしまった場合には、感染した子どもたちに損害賠償責任を負う可能性があります。
■できる限り感染予防の対策を
法的に責任が生じないとしても、感染症を他人にうつしてしまうことで、当該他人や学校などに多大な迷惑をかけてしまう可能性があります。子どもが感染症にかかっているのではないかと感じたら、学校や病院とも相談して、できる限りの感染予防の対策を講じるようにしましょう。
監修協力:弁護士法人アディーレ法律事務所 (東京弁護士会所属)
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