御神酒は神社でもらっても未成年でも飲めません!

このお正月に家族で初詣に出かけた方は多いのではないでしょうか。初詣では、神社によって「御神酒(おみき)」を振る舞ってくれるところがありますね。御神酒は神様にお供えした神聖なものですが、当然アルコールの入った立派なお酒です。

日本で古くからあるこの御神酒、はたして未成年者が飲むことは法律上許されるのでしょうか。

目次

・未成年者の飲酒は「処罰」の対象?
・結婚したら「成人扱い」と聞いたけれど…
・お正月の御神酒は許される!?
・まとめ


お神酒を注ぐ巫女さん

(c) natsu0 - Fotolia.com



■未成年者の飲酒は「処罰」の対象?

「未成年者はお酒を飲んではいけない」。このことは皆さんご存じのことと思います。では、未成年者がもしお酒を飲んでしまったら、罰金を払ったり、刑務所に行かなくてはいけないのでしょうか。

正解は、罰金を払ったり、刑務所に行く必要は「ない」です。


未成年者の飲酒については未成年者飲酒禁止法という、大正時代にできた法律があります。名前からも分かるとおり「未成年者はお酒を飲んではいけませんよ」ということが定められている法律です。

しかしこの法律は、未成年者の飲酒禁止を定めていますが、罰則を定めていません。ここで知っておきたいのは罪刑法定主義といって、人を処罰するときには法律等で罰則を定めておかなければならないということです。

つまり、罰則が定められていない以上、未成年者が飲酒をした場合は違法であっても罰則は受けないのです。ただし、だからといって飲酒して良いということではありません。また、未成年者の親が未成年者の飲酒を知りながら止めなかった場合や、酒類を提供するお店が未成年者と知りながら酒類を提供した場合は、法律に罰則が定められているので、処罰されることになりますのでご注意ください。

■結婚したら「成人扱い」と聞いたけれど…

未成年者が売買契約などの法律行為をする場合、一定の例外を除き、法定代理人(通常は両親であることが多いです)の同意が必要となります。
この同意なくされた未成年者の法律行為は、取り消すことができます。

しかし、結婚するとなると家を借りたり、大きな買い物をすることも多くなると思います。その際に、毎回親の同意が必要となると非常に不便です。そのため民法は、未成年者が結婚した場合には例外的に成年に達したとみなし、法定代理人の同意を不要としたのです。

このような婚姻による成年擬制(せいねんぎせい)は、上記のような不都合を回避するための例外なのです。したがって、その効力は民事上の契約等に及びます。

一方、飲酒・喫煙の規制はまだ発達途上にある未成年者の健康面を考慮したものなので、成年擬制の趣旨が妥当しません。したがって、未成年者が結婚したとしても、飲酒行為が合法になるということはありません。


■お正月の御神酒は許される!?

厳密にいえば、御神酒であっても飲酒にはかわりないので違法でしょう。ただ、お正月に御神酒を飲むことは日本の風習とされていますので、事実上問題視されていないだけだと思います。

もちろん、親が子どもに御神酒を飲ませるということは違法のおそれが高く、かつ罰則もあるので、もちろん避けるべきでしょう。


■まとめ

未成年の飲酒禁止は、未成年者の体の健全育成を考慮して定められたものです。

酒は百薬の長ともいわれます。とはいえ未成年のうちはガマンして、20歳の誕生日に乾杯をするのが、もっともおいしいお酒の飲み方ではないでしょうか。お酒はハタチになってから、ですよ!


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