連載記事:貯蓄できる夫婦の家計管理術
使いすぎなもの、削りすぎなもの【貯蓄できる夫婦の家計管理術 Vol.5】
お金が貯まる夫婦、貯まらない夫婦
貯蓄モードになる正しいステップと間違った貯蓄モード
貯蓄できる鉄板ルール! 最大の"貯め期"を逃すな
わが家の家計の問題点を簡単に暴くの続きです。
貯蓄ができない家計のどこに問題があるかをチェックするための目安である、「家計バランス表」。この家計バランス表を使うには、いくつか注意するポイントがある。引き続きファイナンシャルプランナーの畠中さんにお話を伺った。
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■こづかいは夫婦あわせて10%まで
「家計バランス表の適正割合には、できるだけ守って欲しいポイントがあります。最初にあげられるのは、夫婦のおこづかいです」(畠中さん)
畠中さんが、「家計バランス表」を考案したのは25年前。家計バランス表の数字は、時代の変化によって若干変化してきている。しかし畠中さんは、「夫婦のこづかい」に関しては、
『手取り月収の10%』が適正割合だと、一貫してアドバイスしている。
たとえば手取り月収が30万円の家庭なら、夫婦ふたりのおこづかいは合計で3万円。いかがだろうか? 「少なすぎる!?」と、驚いた人も多いのではないだろうか?
「ふたり分のおこづかいが、手取り月収の10%なんて…。そんな金額じゃ、欲しいものが何も買えません!」と、クレームをつけられることもあるそう。けれども、畠中さんは譲らない。
こづかいは毎月出て行ってしまう固定費。だからこの固定費をいかに削減できるかが重要になってくる。畠中さんは、「おこづかいは、できるだけ適正割合に収めて欲しい」と話す。
■通信費用は、7%以内
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ポイントのふたつめは、通信費。
今回、掲載した家計バランス表では、通信費を7%に設定しているが、畠中さんが家計バランス表を使ったアドバイスを始めた頃は、3%だったそう。
時代は流れて、通信費には、固定電話代や携帯電話代などのほかに、プロバイダ料も含むようになり、7%で収まりきらないという家庭も少なくないかもしれない。
「通信費もおこづかいと同じ固定費。固定費の支出が多いと、貯蓄がしづらい原因となります。もし7%に収めることが無理な場合には、
ほかの費目にしわ寄せが行くのだと認識しましょう」(畠中さん)
この記事を書いている私自身は、通信費を抑えるために、先日、格安スマホへの乗り換えを実施したばかりだ。格安スマホのすみ分けといった概要をネットなどで理解したら、電気量販店で相談してみると良いだろう。機種によっても違いがあるので、店員さんに自分に適したプランを教えてもらうのが近道だ。
■食費の削りすぎに注意!
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使いすぎに注意したい費目がある一方で、
「支出割合が少なすぎる家庭が目立つ」と畠中さんが心配するのが、食費だ。
たとえば、「家計バランス表」(「
わが家の家計の問題点を簡単に暴く【貯金できる夫婦の家計管理術 Vol.4】」)をもとに考えてみると、小学生以下の子どもがふたりいる家庭で、手取り月収が30万円ならば、食費はその15%だから、ひと月4万5千円くらいはOKということになる。
しかし畠中さんが家計診断でお会いする家庭では、大人ふたり、子どもふたりの4人家族の食費がひと月3万円前後としている家庭が一般的で、適正割合に比べて、実際に支出割合が低いのが現状だという。
●食費は健康に直結している支出
「食費の節約に精を出されている家庭に対して『もっと使ってもいいよ』というのも気がひけますが、節約しすぎると、鮮度や産地にこだわれなかったり、安い食材ばかりが食卓に並ぶ可能性があります」(畠中さん)
食費は健康に直結する支出だ。畠中さんは、「高齢期まで健康な体を作るためには栄養バランスも大切ですから、食費の削りすぎは避けた方が良いと思います」とアドバイスする。
ちなみに。この記事を書いている私は育ち盛りの男の子(高校生の長男、小学校6年生の次男、三男の双子)を育てているせいか、食費は月額10万円前後かかっている。
次回は、貯蓄を取り崩しがちな「原因」と、その対策です。
■今回取材を受けてくださった畠中雅子さんの著書
『
結婚したら知っておきたいお金のこと(畠中雅子/海竜社)』
(本体1,200円+税)
●畠中雅子
3人の子ども(成人した長女、大学生の長男、高校生の次男)を育ててきたベテラン主婦であり、ファイナンシャルプランナー。
数多くの著作を持ち、新聞、雑誌、ウェブに多数の連載を持つ。
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