5分でわかる女性活躍推進法! ママの働き方はこの先10年でどう変わる?

2016年4月から施行された「女性活躍推進法」。働いている、あるいはこれから働きたい女性にはとっても重要な法律ですが、その詳しい内容をご存知でしょうか?

目次

・「女性活躍推進法」とは? いつスタートしたの?
・日本は女性の管理職が少なすぎ? 女性活躍推進法の目的とは
・会社がとるべき具体的なステップは?
・女性活躍推進法を守らないと罰則はあるの?
・私たちにどんなメリットがあるの? 働いていなくても関係ある?
・女性活躍推進法で「この先10年の働きかた」はどう変わる?
・まずは「知る」「チェックする」から!


5分でわかる女性活躍推進法! ママの働き方はこの先10年でどう変わる?

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法律をつくった目的や具体的な内容、施行によるメリットや認定マーク「えるぼし」などについて、わかりやすくご説明します。

あなたやご家族の「この先10年の働きかた」を考えるために、ぜひ読んでみてくださいね!

「女性活躍推進法」とは? いつスタートしたの?

女性活躍推進法の正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。2016年4月1日から施行されました。

法律の対象になるのは、国や地方公共団体、従業員301人以上のいわゆる「大企業」です(300人以下の中小企業は努力義務)。

こうした団体や企業に対して「女性の活躍状況をチェックし、情報を公開する」「女性活躍のためのプランを提出する」といったことが「義務」として決められています。

また、女性活躍推進法は10年間という期限のある「時限立法」です。


日本は女性の管理職が少なすぎ? 女性活躍推進法の目的とは

そもそも、なぜ女性活躍推進法がつくられたのでしょうか?

大前提として、日本は働くうえでの「男女格差」がまだまだ大きいという事実があります。特に、女性管理職が少ないことが問題です。

女性の社会進出は進んできたものの、2016年になっても女性管理職の割合はわずか11.3%。アメリカ(43.7%)、 スウェーデン(37.1%)などの欧米諸国やフィリピン(47.3%)と比べても、かなり低くなっています。
参考:独立行政法人労働政策研究・研修機構



世界経済フォーラムによる「グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書」(2016年)では、日本の順位は111位。

先進国のなかでは圧倒的な低さです。いわゆる途上国でも、日本より上の順位の国がたくさんあります。
参考:「グローバル・ジェンダー・ギャップ報告書」(2016年)

女性従業員の割合は各国で大差がないのですが、「女性はキャリアアップしにくい」という格差の現状がうかがえます。

あなたの職場にも、出産を機に退職したり、親の介護のため出世を諦めたりした女性がいませんか。


こうした男女格差を解消し、女性がもっと仕事の面で能力を活かせるようにと、女性活躍推進法はつくられました。

この法律は一見「働く女性のため」のようですが、じつは老若男女すべてのためにもなります。

なぜなら、少子高齢化で労働人口が減り続けるいまの日本で、人口の半分を占める女性が能力を発揮できないことは、みんなにとってデメリットだからです。

会社がとるべき具体的なステップは?

女性活躍推進法によって、公共団体や企業は何をしないといけないのでしょうか? 具体的には、つぎの4ステップが「義務」として定められています。

(1)女性の活躍に関する状況把握・課題分析
(2)(1)をもとにした行動計画の策定・届出・周知・公表
(3)労働局への届け出
(4)女性の活躍に関する取組の実施と定期的な効果測定

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ようするに、勤めている女性が「活躍」できているかまずチェックし、課題があればその解決のためのプランを立て、実行し、労働局にきちんと報告する。

さらに社内や一般に情報を公開して、定期的にチェックもすること、という内容です。

チェックすべき必須項目は、つぎのように決まっています。

(A)採用者に占める女性比率
(B)勤続年数の男女差
(C)労働時間の状況
(D)管理職に占める女性比率

他にも、「男女別の育児休業取得率」「男女別の再雇用又は中途採用の実績」などさまざまな項目があります。


これらの情報はすべて公開されていて、だれでも厚生労働省運営の「女性の活躍推進企業データベース」から見ることができます。
参考:女性の活躍推進企業データベース|厚生労働省

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女性活躍推進法を守らないと罰則はあるの?

女性活躍推進法には、罰則の規定はありません。ここまでご説明したステップはあくまで「義務」です。

ただし、企業や団体がチェックした情報は、先にご紹介した厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」にすべて公開されています。




公開している情報が乏しかったり、対象となる大企業なのに情報が公開されていなかったりすれば、企業イメージに影響します。

「この会社は法律を守らないのか」「女性の活躍に消極的なのか」と、マイナスイメージになってしまうわけです。

人材確保に苦労する会社が多いこの時代、採用にも影響が出たら会社にとって痛手でしょう。

逆に「努力義務」しかない中小企業でも、積極的に情報公開や行動計画に取り組んでいれば「いいね!」と好印象になります。

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こうした事情もあってか、2017年1月末で対象企業の「行動計画」届け出率は99.9%。300人以下の中小企業も2,276社が届け出ています。
参考:女性活躍推進法に係る一般事業主行動計画策定届出状況|厚生労働省

私たちにどんなメリットがあるの? 働いていなくても関係ある?

では、じっさい私には何か影響あるのでしょう。
女性活躍推進法は、働く女性やその他の人にとって、どんなメリットがあるのでしょうか?

■就職や転職時に役立つ

データベースで企業や団体の「女性にまつわる実情」をチェックできるので、女性にとってより働きやすい職場を選ぶことができ、キャリアプランも立てやすくなります。

女性役員の割合や男性の育休取得率などは、たとえば就職説明会や面接時などに直接きけばたいてい教えてくれます。

けれど、そこに至る前に広く公開されているデータを「数字」で確認できる(あいまいな「わりと多いですよ」などの表現ではないのもポイント!)のは、働こうとする人にとっては大きなメリットですよね。

■いち消費者として、女性にやさしい企業を選択できる

「えるぼしマーク」という認定マークをご存知でしょうか ?

女性活躍推進法にもとづいて届け出をした企業のうち、一定の基準を満たした「とくに女性の活躍に積極的&優良な企業」は厚生労働大臣から認定をもらうことができます。

その認定マークが「えるぼし」です。より優良な順に、3つ星、2つ星、1つ星の3種類があります。

5分でわかる女性活躍推進法!えるぼしマーク

えるぼしマークは企業の商品や広告、求人票などに使えます。つまり、私たちはいち消費者としてこのマークを見て「女性にやさしい」会社の商品やサービスを選べるというわけです。


女性活躍推進法で「この先10年の働きかた」はどう変わる?

施行からもうすぐ1年が経つ女性活躍推進法。行動計画の届け出率は99.9%にのぼり、「えるぼしマーク」認定はすでに249社が受けています(2017年1月末時点 )。
出典:女性活躍推進法への取組状況|厚生労働省

もちろん「チェック」と「計画」だけでは現実はそう簡単に変わらないでしょう。けれど、少なくともこれまで女性の活躍にあまり積極的でなかった企業が変わりはじめる「きっかけ」にはなっているようです。

また、先にご説明したように、女性活躍推進法は女性だけのための法律ではありません。

取り組みの具体例として「男性の育休取得率の向上」や「短時間正社員制度の導入」などがあるように、この法律は世の中全体の「働きかた」そのものを見直すことにもつながっているのです。

5分でわかる女性活躍推進法! ママの働き方はこの先10年でどう変わる?

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介護やご自身の闘病などは、女性に限らずだれもが「当事者」として直面する可能性があります。

こうした「壁」にぶつかったとき、これまでのような「男が働き、女は家を守る」「キャリアアップには長時間労働が必須」といった価値観で働くことはとてもむずかしくなります。


そこで「働ける人が、できる範囲で最大限の能力を発揮する」という働きかたが重要になってくるのです。

女性活躍推進法は、このような「働きかた」の大きな変化のきっかけや後押しとして期待されています。

まずは「知る」「チェックする」から!

「法律だけつくったって現実はそう簡単に変わらないよ」という冷ややかな声もありますが、ものごとを変えるための第一歩は、自分自身や自分のまわりから少し変えてみることだとよくいわれます。

まずは一人ひとりがこの法律について知り、公開された情報をチェックすることで、企業や行政の取り組みをプッシュすることにつながるはずです。

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