■夢をあきらめない! いまも大切にしているものとは
『カーズ』では人生の岐路が描かれますが、アンドレアさんにとっても
「人生での選択」というべき岐路はたくさんありました。
「私はピクサーで19年働いていますが、1つのプロジェクトから次のプロジェクトに移るときも岐路になります。もちろん、パートナーを選んだり、子どもを産んだりという選択もそうです。でも、もしかしたらいちばん大きかった岐路は、
『クリエイティブな仕事がやりたい!』と決意して、カリフォルニアに出てきたことかもしれない」
アンドレアの地元サウスダコタ州は、映画業界とはかけ離れたアメリカ中部の農家が多い田舎町。彼女はクルーズのように意を決し、
自分の夢を追いかけたわけです。
「いま思えば、当時は『やりたい!』という一心で動きました。引越した先には知り合いはほとんどいないし、やりたい仕事にも就けるわけでもなくて。でもあきらめず、少しでもつながりそうな方々の連絡先をアドレス帳に書いていきました。
いまでもそのアドレス帳は大事にもっています。だって、当時の気持ちを忘れたくないから」
『カーズ』の主人公マックィーンも世間から見放され、自信喪失に。この挫折を終わりとするのか、始まりとするのか、どう立ち向かうべきかが描かれ、まさにアンドレアさんと物語もシンクロしていきます。
■家族に届ける作品を作る「ディズニー/ピクサー」が大事にすること
アンドレアは、大きな仕事を手がけ、はたから見るととても順風満帆の人生のようにみえます。しかしアンドレアにも、仕事を始め、結婚したあとは、仕事と家庭のバランスを取ることに悩んだ時期もあったと話します。
「私のような仕事の場合、制作が佳境になってくると、残業が増えていきます。ただ、
「ディズニー/ピクサー」は
家族を大事にする会社。だから、病院に行ったり、学芸会で子どもたちのお芝居を観たりする時間はみんながとても大切にしています。
なぜなら、私たちが作品を届けたいのは
家族。だからこそ「ディズニー/ピクサー」は、家族の価値観をおざなりにはしません。仕事場が家族のために時間を取ることを許してくれる
応援体制ができていることは、とてもありがたいです」
最後に日本でがんばる働くママにアドバイスをいただきました。
「私自身も初めての子育ては、とても悩みました。そのとき、サポートしてくれる人を複数見つけることが大事だと思ったんです。私の場合は、夫や遠く離れた親、子どもを送り迎えしてくれる人を頼って生活しています。
助けを借りること、
『助けて』と言えること、そんな自分を受け入れてほしいと思います。じつはそこがとても難しいということは、私も実感しているんですが。
当時、私よりも先に子どもを授かった妹から『家をきれいに片付けるとか、時間どおりに全部こなすなんてことはできないからね』と言われました。あきらめるというと聞こえは悪いんですが、母親はまず
『何でも完璧にしたい』という思いから
解き放たれることが必要なのかなと。
また、家でも仕事場でも、その場にいるときは、ソコに集中するようにしています。家にいるときは仕事の電話をしない。子どもと過ごすときは
『100%あなたたちのことを見ているよ』とメッセージを送りながら過ごします。
大切なことは、
理想の半分くらいしかできていなくても、『
自分はベストを尽くしているよね。これで足りているよね』と自分に言い聞かせることかしら」
『カーズ/クロスロード』
7月15日(土) 公開
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主人公の天才レーサー“マックィーン”。ベテラン・レーサーになりつつある彼に待ち受けていたのは、最新テクノロジーを限界まで追求した新たな世代の台頭と、レース人生を揺るがす衝撃的な大クラッシュだった…。
「いったい自分はいつまで走り続けるのか?」──誰もが直面する人生の大きな壁や、思いがけない挫折、そしてその先に見えてくる新たな道。自らの運命を左右する“人生の決断”が迫られる。
『カーズ/クロスロード』公式ホームページ
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