ディズニー/ピクサーの人気シリーズ最新作『カーズ/クロスロード』で、ヒロイン・クルーズ役の声優を務めた松岡茉優にインタビュー。子どものころからディズニー作品に慣れ親しんできた彼女は、今回のオファーを大喜びしたそうです。
本作では、トップレーサとして活躍してきたスポーツカー、ライトニング・マックィーンがレース中に大クラッシュ事故を起こしてしまいます。自信を喪失したマックィーンが出会うのが、彼に憧れていたというクルーズです。
人生の岐路(クロスロード)に立たされたマックィーンは、どういう道を選択するのでしょうか?
松岡茉優さんが演じたクルーズ(右)/(C)2017 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
本作は、夢をもつことの大切さはもちろん、仲間との友情や師弟愛、挫折からの再生などをテーマにした懐の深い作品に仕上がりました。
■今回の声優抜擢は親孝行&親戚孝行
――松岡さんはずっと親子でディズニー/ピクサー作品をご覧になってきたそうですが、『カーズ/クロスロード』に声優として参加されることが決まったとき、ご両親は驚かれましたか?
はい。びっくりしていました。「あの『カーズ』でマックィーンの新しい相棒役!? ちょっとだけ出る役じゃなくて?」と言われました。その後、ちゃんとクルーズ役について説明したら「茉優ちゃんにできるの?」と少し引いてました(笑)。
自分としては親孝行というか親戚孝行ができたかなと。親戚に小さい子が多いので、いまから観てもらうのが楽しみです。
――これまでのシリーズはもちろん、本作の見どころはどんなところだと思いますか?
まずは1作目でとてもカッコいいマックィーンを観てもらい、2作目では友情に泣いてもらう。
そして今回はまさかのクラッシュからのスタートです。「もうダメだ!」と最初に思い、心が揺さぶられると思うんですが、そこから新しい相棒のクルーズと出会ったり、最強のライバルが出現したりと、新キャラクターも豊かです。
今まで支えてくれた仲間たちも温かいし、マックィーンに指導してくれたドックの存在も大きいですし。これまでのシリーズが大好きな方も、初めて観る方も、人生をもう一度考えるような作品になっているかなと。私も大好きな作品です。
■「勉強しろ」と言われたことがない人生
――今回、マックィーンの師ともいえる存在ドック・ハドソンの回想シーンが胸を打ちます。松岡さんは、人生の岐路においてかけてもらった印象的な言葉はありますか?
父から「私が大学を卒業する年までに、いまのお仕事で自立できなければ、そこから大学へ行きなさい」と言われました。周りのみんながちょうど大学に進学するときだったので。
私自身は、4年で上手くいく自信がなくて「無理だ。どうしよう」と思っていたとき、母が「そんなの約束だけしちゃえばいいじゃない。もし、どうにもならなくなっても続ければいいじゃない」と言ってくれました。
それで「ああ、そうか」と。もし4年間頑張ってダメだったとしても、私が続けたいのなら続ければいいんだと思えました。
父は娘の将来を心配して言ってくれた言葉なんですが、実際は今もすごく応援してくれているし、母は母で自由に私を育ててくれました。私は「勉強しろ」と言われたことが人生で1回もなくて。好きな時間にテレビを観て、好きな時間に寝ていましたし、いつも「自分で選びなさい」という感じで育ててもらいました。
そういう中で、俳優という仕事を選ぶことを決めさせてくれたのは母でした。