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NHKの連続テレビ小説
『わろてんか』で、ついに
てん(葵わかな)と
藤吉(松坂桃李)がめでたく祝言を挙げました。
ここに至るまでの紆余曲折に泣き笑いの日々でしたが、てんの商才を花開かせた
姑・啄子(鈴木京香)の功績はかなり大きいと言えるでしょう。しかも啄子はもう一度一旗揚げようと、「おなごの夢に年は関係ありまへん」と海外へ旅立つ姿は心意気も粋!
啄子は、嫁いびりをするだけの姑ではなく、お人よしだけどツメが甘い藤吉とてんの夫婦を、みごとに鍛え上げてくれるカッコいい姑でした。
■姑が嫁に教えた3つの家訓
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てんと藤吉が経営している寄席「風鳥亭」。しかし売り上げを伸ばすためにしたことが仇となって、信用がガタ落ち。そんな状態となった風鳥亭を立て直すべく立ち上がった啄子。
夏場の暑い中、てんは、冷やしアメを寄席で売ることを提案。その際も啄子は、店頭でも売って客を寄席に呼び込むようにアドバイスをします。さらにてんは氷の上で瓶を転がして、見た目も涼しく、冷やしアメの瓶をギンギンに冷やして売るというインパクト大のアイディアを思いつき、こちらが大当たり!
この“冷やしアメ”はネットでも話題に。関西でも昔からある夏の定番商品で、水あめとしょうがで作った飲み物だそう。
ほかにも、寄席の客の下駄磨きをするてんを啄子が手伝ったりもします。
こうした細やかなサービスも手伝ってか、風鳥亭の信用は徐々に回復していきます。そしてついに啄子がてんを
「ごりょんさん」(昔の良家や商家で使われていた敬称)と認める日がやってくるのです。
<啄子がてんに教えた3つの家訓>
1、節約ではなくて、無駄な出費をせず使うべきときに思い切り使う『始末』
2、どこに商いの勝機があるかを見極め、誰もやらないことをやるという『才覚』
3、損をして得を取って帳尻を合わせるという『算用』でした。
ここに今回、啄子がてんから教わったという「人=財産」という
『人財』が加わったのです。
寄席を訪れたてんの母・しず(鈴木保奈美)も、てんの成長ぶりに安堵(あんど)し、啄子に心から感謝します。啄子としずが過去にバチバチの火花を散らせた母親対決をしていただけに、この着地点は非常に感慨深いものがありました。
■嫁と姑の絆を深めたダメ夫効果!
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これまで良いところを見つけることが難しかった藤吉。商家に生まれるも商才はなし、笑いの才能もなし。
さらには儲け話に引っかかってしまったり。優しいだけの夫(松坂桃李が演じているので顔が良いというのもあるが)にしか見えていませんでした。
そしててんと啄子の嫁・姑関係もずっとギクシャク。しかし、夫があまり頼りにならなかったからこそ、嫁と姑の絆が深まったと言えるかもしれません。さらには根っからの商売人である啄子にとって、その後継とも言える資質を持っているのが息子よりも嫁・てんであることはきちんと見抜いていたでしょう。
藤吉とリリコ(広瀬アリス)の関係にもんもんとするてんに、「ヤキモチは一銭の得にもならん。あの子はウソをつけん子や。藤吉郎を信じた方が得ということです」と、結婚に反対と言っているくせに、てんを叱咤激励。
商才に欠ける息子・藤吉ですが、誠実で優しいところは誰よりもわかっている母・啄子。そんな藤吉を内助の功で支えてきたてんをずっと見てきた啄子は、いつしかてんをサポートする側に回っていました。
てんの商才が開花したのも、嫁姑に絆が生まれたのも、藤吉あってこそ。まさに結果オーライ。夫婦や嫁・姑の関係は、バランスが大事なんだなとあらためて実感させられました。
■松坂桃李と高橋一生、イケメンすぎる男たち
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『わろてんか』の2強イケメン、
高橋一生と松坂桃李の2ショット。先週、高橋演じる伊能がてんに「君が必要なんだ」と言って、藤吉が大慌てするくだりは、視聴者の胸をざわつかせました。
ふたを開けてみたら、伊能はてんから冷やしアメの売り方を教えてもらいたいというだけだったのですが、啄子は、それを教える代価として藤吉と伊能に客引きをさせました。
イケメン2人の呼び込み効果は絶大で、女性たちは寄席に興味を示します。伊能はさらに、昼間に寄席を開けば女性を集客できるのではないかとアドバイス。この目のつけどころもすばらしく、当時はどこもやっていなかった平日の興行を始めたことで、風鳥亭はますます繁盛。その後、啄子の承諾を得て風鳥亭から「北村笑店」と名を改め、てんたちはますます気張っていきます。
それにしてもイケメン夫にイケメンのビジネスパートナーがいるというてんは、間違いなく果報者で、うらやましいかぎりです。
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今週スタートした第9週では、てんと藤吉の間に長男・隼也が誕生。藤吉は、家族を養うために寄席をもう1軒増やしたいと、あらたたな小屋探しを始めたようです。
ただ、てんは子育てと仕事に追われて大わらわ。
今週のサブタイトルが「女のかんにん袋」ということで、今後の動向が気になるところ。働くママたちが共感するエピソードがふんだんに出てきそうで、毎回見逃せません。
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