『コウノドリ』繰り返す流産で、自分を責め続ける女性たちの悲しい本音に涙

目次

・原因不明の不育症に悩む夫婦
・流産を自分のせいだと感じてしまうつらさ
・苦しむ妻に夫がしてあげられることとは
・岐路に立たされた星野源の選択する道とは
金曜ドラマ『コウノドリ』

© TBS


『コウノドリ』第9話が12月8日に放送された。今回サクラ(綾野剛)が向き合ったのは、「不育症」。原因がわからないまま、流産を繰り返す女性の苦悩と本音が描かれた。

ドラマでも取り上げられていたように、流産はけっしてめずらしいものではなく、経験者も多い。けれどもそれは、あくまで統計上のこと。「あなたのせいじゃない」と言われても、原因がわからないことで、どうしようもない不安や、やり場のない気持ちに陥ってしまうものなのだ。

■原因不明の不育症に悩む夫婦

3回目の流産となった篠原沙月(野波麻帆)は、流産を繰り返してしまうことを「自分のせい」だと思い悩んでいた。そんな妻を見て、夫・修一(高橋光臣)もまた、どうしたら彼女を元気付けられるのかと葛藤していた。


不育症の検査を受けるも、結果はすべて正常範囲内。それを聞いた修一が「それは原因がわからないということですか? 治療方法がないということですか?」と問う。サクラは不育症の原因がわかって治療した女性、原因がわからず治療しなかった女性、どちらも出産できる確率は85%だと説明する。
金曜ドラマ『コウノドリ』

© TBS


「でも、不安ですよね、怖いですよね」と続けるサクラに、沙月は涙を流し「子どもがほしくて、やっぱり諦めきれないからここに来てるんですけど、妊娠してないってことがわかると少しホッとする自分がいて。一瞬でも、おなかの中に赤ちゃんが宿ることが怖くて。こんなんじゃ母親になる資格ないですよね」と本音を漏らす。

そして「(子どもが好きな修一に)自分の子どもを抱かせてあげられないのが一番つらい。本当にごめんね」と泣き崩れる沙月を、修一は「僕こそ何もしてやれなくてごめん」とやさしく抱き寄せる。
そんな夫婦を見たサクラは、「次はきっと大丈夫。だって、篠原さんにはこんな近くに世界一の味方がいるじゃないですか」と励ました。

時を経て、4度目の妊娠が発覚した沙月。緊張の中、サクラが内診すると、そこにはピコピコと胎児の拍動が。沙月は喜びと安堵(あんど)の涙を流し、エコー写真を眺めて夫婦で喜びを分かちあうのだった。

■流産を自分のせいだと感じてしまうつらさ

妊娠すれば、無事に出産できるのが当然だと思っている人も多いかもしれない。けれどもドラマ内で四宮(星野源)「流産はめずらしいものじゃない」と話していたように、流産する確率は25歳で15%、35歳では25%と、けっして少ない数字ではない。実際、ドラマ放送後にはSNSに流産経験者という人の声が本当にたくさん上がっていたし、筆者自身も2度の流産経験がある。


自分は子どもが産めないかも…。そんなときに考えるのは、やはり夫のことだ。今回、修一の「子どもがいない2人だけの人生もいいと思ってる」という言葉に、沙月が「全然うれしくないよ、なぐさめにもなってない」とつらく当たってしまったのは、夫に自分の子どもを抱かせてあげられないかもという責任を感じてしまうからこそ。

流産後、筆者は「夫婦2人の子どもなんだから、夫も妊娠できればいいのに」という非現実的なことを本気で考えたし、3度目の妊娠で出産に至ったときには、喜びより安堵のほうが圧倒的に大きかった。

「流産はあなたのせいじゃない」そう言われても、妊娠・出産について母親は、どうしたって責任やプレッシャーを感じてしまうのだ。

■苦しむ妻に夫がしてあげられることとは

金曜ドラマ『コウノドリ』

© TBS


一方、修一はピアノの練習をすることで沙月の心に寄り添った。自分を励ますために一生懸命努力している夫の姿は、妻にとって何よりの支えとなったはずだ。

沙月は胎児心拍の確認までたどり着いたが、出産を迎えるまではまだまだ長い道のりが待っている。
それでも修一という強い味方がいる限り、沙月は前を向いて進んでいけるだろう。

そして第9話で描かれた“支え合い”は、篠原夫婦だけではない。病に倒れた父を四宮が支え、その四宮をサクラがフォローし、小松(吉田羊)を今橋(大森南朋)が気にかけ、産科医療の経験に乏しい救命チームを下屋(松岡茉優)がリードした。

「いまある道を進むことで、光が見える。だから、怖がらないで。人は必ず、誰かがそばにいて、誰かのそばにいる」印象的だったサクラのナレーションのとおり、どんなときでも人は互いに支え合い、補い合いながら生きていくものなのかもしれない。

■岐路に立たされた星野源の選択する道とは

金曜ドラマ『コウノドリ』

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下屋はたくましく成長し、白川(坂口健太郎)は再びペルソナに戻ると誓うなど、それぞれが歩みを進めるチームの中で、やはり気になるのは四宮の今後。

病に伏す父・晃志郎(塩見三省)とのやりとりは、ドラマを越えて本物の親子に見えてくるほどのリアルさがあり、とくに最後に手を握り合うシーンは胸にグッと迫るものがあった。
父の思い、早剥の研究、ペルソナの人材不足…岐路に立たされた四宮は、はたしてどんな道を選択するのか。ますます目が離せない。

12月15日に放送される第10話で描かれるテーマは“出生前診断”。診断を受けた2組の夫婦をとおし、ペルソナメンバーが命と向き合っていく。
TBSテレビ 金曜ドラマ『コウノドリ』
金曜よる10時から

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