新プリキュアの敵はブラック企業社員!? パパの家事レベルが高くてうらやましい

目次

・攻撃よりも抱きしめる? キュアエールの戦い方に注目
・主人公パパは家事レベルが高い!
・ちょっと気の毒、悪者組織はブラック会社だった!
・前作にハマっていた子どもの反応は?
『HUGっと!プリキュア』

© ABC-A・東映アニメーション



今年で15周年を迎えるプリキュアシリーズ。プリキュア節目の年に満を持して作られた『HUGっと!プリキュア』(ABC・テレビ朝日系)の第1話が2月4日に放送された。

■攻撃よりも抱きしめる? キュアエールの戦い方に注目



『HUGっと!プリキュア』

©ABC-A・東映アニメーション



中学2年生の野乃はなの元に、空から赤ちゃんとハムスターが降ってきた。その名も「はぐたん」と関西弁を話すお世話係の「ハリー」。突然の状況に戸惑うはなに、ハリーは「これはお前の未来のためやで!」と意味深な言葉をかける。

そんなある日、学校に異変が! 生徒たちが無気力になってしまったのだ。そしてはなが目にしたのは、学校で暴れる謎の怪物・オシマイダーと怪物に向かっていこうとするはぐたんの姿。悪の組織「クライアス社」の指示を受けたオシマイダーは、邪魔をするはぐたんを踏みつぶそうとしていた。

「はぐたんを守りたい!」はなの強い気持ちがあふれると、「ミライクリスタル」という名の結晶が誕生。そしてはなは、チアリーダーのような元気で動きやすいコスチュームに身を包んだ「キュアエール」に変身したのだ。


そんなキュアエールの戦い方は、とても斬新。「敵を応援するの? それとも戦うの?」と見ている側を混乱。しかしなんと武力で敵に挑むのではなく、敵をも愛で包み込んで戦意をなくしてしまうのだった。驚くと同時に、「これなら子どもに見せても大丈夫」という安心感にもつながった。

衣装や戦い方からもわかるように、はなは「ポジティブ」「元気」といった言葉を体現している。大人が見るには眩しすぎてつらいかもしれないと思いきや、はなくらい振り切れていると、かえって清々しく感じる。

■主人公パパは家事レベルが高い!

前髪を切りすぎて落ち込んだり、転校初日の自己紹介で失敗したり、ドジな部分はあるものの、それはほんの一部。冒頭には、はなの人柄をあらわすエピソードが登場する。


転校初日に学校へと急ぐはなが目にしたのは、大きな荷物を背負ったおばあさんめがけて飛んでくるボール。とっさに駆け寄り、額でボールを受け止めたあと、おばあさんを見過ごせずに荷物を運んだ結果、遅刻してしまう。

はなの姿は、お人好しで要領が悪く見えるかもしれない。しかしはなは、先生に注意され、クラスメートから笑われて落ち込んでも「おばあさんを助けなきゃよかった」と後悔はしないのだ。困っている人を放っておけない正義感の強さと愛にあふれたはなだから、プリキュアに選ばれたのだろう。

もう一つ、初めてプリキュアに変身したときのはなは、驚きもうろたえもせず「めっちゃ、イケてる」と言っただけだった。このセリフから、はなが自分の置かれた状況を瞬時に受け止めていることがわかる。

順応性もプリキュアの適正の一つなのかもしれないと思いあたり、ついつい歴代シリーズの第1話をチェックしてみた。
変身後すぐにエンディング曲へとつながってしまうシリーズもいくつかあるものの、ほとんどの主人公は変身後の自分の姿に驚いていた。それに比べてはなの大物感たるや…。

野乃家の家庭環境にも注目したい。転校初日の朝、ビシッとしたジャケットを着て「歓迎会で遅くなるかも」とパパに夕飯を託すママ。おそらくママは会社勤めをしているのだろう。パパも「OK。大丈夫」とにこやかに返事をしていることから、野乃家では家事分担があたり前のようにされていることがわかる(この部分、ぜひお父さんたちに見てもらいたい!)。

ママは忙しいながらも「前髪を切りすぎた」と落ち込むはなに好物のオムライスを作り、登校時には玄関でハグをする。
父と妹も一緒に見送っていた。朝の何気ない風景から、はなが大切にされていることが伝わる。両親から受けてきた愛情がはなのパワーの源になっているのだろう。

■ちょっと気の毒、悪者組織はブラック会社だった!

悪の組織「クライアス社」の描かれ方も気になるところだ。社員たちのやりとりに、
「(ミライクリスタルが)見つからねば我々は本社に帰れんのだぞ!」
「あのとき、あいつを逃さなければ」
と出てきたことから、これからプリキュアと戦う社員たちは、現在何らかの事情で支社に飛ばされていて、業務を遂行するまで本社に戻れないことがうかがえる。悪者も組織には勝てないようだ。

第1話では、日焼けした肌に「◯◯ッスよ~」とチャラさ全開の社員・チャラリートが下請け(?)のオシマイダーに仕事を発注し、プリキュアと戦わせていた。戦いの最後、キュアエールの愛に包まれたオシマイダーは目をキラキラさせながら「ヤメサセテモライマース」と一言。
ブラックなアルバイトから解放された姿にも見えた。

自分は手を汚さないチャラリートにずるさを感じなからも、「これは始末書もの」の言葉から会社に戻ってからの展開を想像してしまい、悪役ながらも気の毒に思えてしまう。

余談だが、『HUGっと!プリキュア』公式HPのクライアス社の紹介ページには、「ご挨拶」「社員紹介」「会社概要」の項目がある。情報公開はほとんどされていないので、今後定期的にチェックしたい。

■前作にハマっていた子どもの反応は?

筆者は『HUGっと!プリキュア』の初回放送を前シリーズの『キラキラ☆プリキュアアラモード』からプリキュアにハマった娘と鑑賞した。

”プリアラ”愛が強い娘だけにシリーズが変わることへの気持ちの切り替えができるかが心配だったものの、まったく支障はなかった。前週に放送された最終回で新旧プリキュアが一緒に戦うという“引き継ぎ”がされたおかげで、すんなりと新シリーズに移行できたからだ。

「『キラキラ☆プリキュアアラモード』のプリキュアには映画で会えるから」と子どもなりに区切りをつけられ、放送前からキャラクターの名前もしっかり覚えることができた。


前髪を切りすぎてしまったはなに「似合ってるよ」と話しかけ、はぐたんが登場するたびに「かわいいー!」とよろこぶ。これまでキュアホイップを名乗っていたはずが、鑑賞後はレゴで変身アイテム「プリハート」を作ってキュアエールに変身。「はぐっとおもしろかったです」と折り紙に感想を書き、早くも次回を楽しみにしている。

キュアエールとしてはぐたんを守ると同時に、はぐたんのエネルギーとなるアスパワワを与える大事なお仕事を託されたはな。すでに強さやあり余るほどの愛を備えたはなが、これから仲間を得て、どう成長していくのかを子どもと一緒に見守りたい。
『HUGっと!プリキュア』(ABC・テレビ朝日系)
日曜あさ8時半から
●公式サイト:朝日放送公式サイト


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