綾瀬はるか『義母と娘のブルース』損得で考える親子関係は成立する!?

目次

・キャリアウーマンが義母になるためには
・仕事で百戦錬磨でも子ども心をつかむのは厳しい
・親と子のメリット・デメリット
・竹野内豊、綾瀬はるか、佐藤健の関係性は謎だらけ!?
綾瀬はるか『義母と娘のブルース』

©TBS


7月10日、『義母と娘のブルース』(TBS系)がスタートした。第1話で描かれたのは、綾瀬はるか演じるキャリアウーマンの岩木亜希子が、竹野内豊演じる子持ちのサラリーマン・宮本良一との結婚を決め、一人娘のみゆきと打ち解けようと奮闘する物語。

仕事はできるが、子どもの扱いに不慣れな亜希子は、みゆきに対してクライアントを接待するかのようにアプローチ。実直かつ論理的にみゆきに受け入れてもらおうと努力する亜希子の姿に、私たちが気づかされたこととは?

■キャリアウーマンが義母になるためには


綾瀬はるか『義母と娘のブルース』

©TBS


「はじめまして。わたくし、このようなものでございます」と頭を下げて名刺を差し出す。よくあるビジネスシーンだが、相手が8歳の少女だから普通じゃない。

『義母と娘のブルース』は桜沢鈴の同名4コマ漫画を連続ドラマ化した作品で、物語は娘のみゆきが回想するかたちで進んでいく。

舞台は2009年4月。仕事ができるバリバリのキャリアウーマン・亜希子(綾瀬)が子持ちのサラリーマン・良一(竹野内)と結婚することとなり、初対面のみゆき(横溝菜帆)にとったのが、この名刺を差し出すという行為である。

視聴者からすると「ププッ」と吹き出してしまうシーンだが、小学3年生の少女が、突然「新しいママになる人だよ」と紹介されても「はい、そうですか」と受け入れられるはずもない。

それは、ビジネスライクでかしこまった亜希子だからというわけはなく、どんな相手であれ、自分のテリトリーにそうやすやすと受け入れることは難しい。
それが新しい家族になる人、とりわけ義母という立場であればなおさらである。

■仕事で百戦錬磨でも子ども心をつかむのは厳しい

ドラマの見どころは、なんといっても仕事では百戦錬磨の亜希子が、子どもの心をつかむために試行錯誤する姿。相手の懐に入るためには、まずは相手を知らなければいけないと、子ども向けの雑誌や“子どもの心理学”といったネット情報を読み漁る。

そして、彼女が導き出したのは“つり橋効果”に期待してアスレチックに出かけるという天下分け目の戦い。危険な状況からみゆきを救うことができれば、少しは打ち解けることができるかもと画策したことだったが、あえなく惨敗してしまう。

だがその後、みゆきがいじめにあっているという情報を入手し、「相手を攻略するにはリサーチを行うべし」「ボスと交渉するのが一番早い。十分に交渉の余地がある」と、解決策を的確にアドバイスしたことで状況は一転。

みゆきは、亜希子が書いた宮本家への入社意欲を示す「履歴書」への返事として、良一の指導を受けながら「採用通知」を発送するのだった。


■親と子のメリット・デメリット

綾瀬はるか『義母と娘のブルース』

©TBS


亜希子が考えた、みゆきに受け入れてもらうために必要なのは「メリット」を感じてもらうこと。ドラマでは「ブリオッシュが食べたい」という娘に「わがままだなぁ」と母が折れるシーンが映し出されていたが、意識していないとはいえ、少なからず幼い子どもは親と一緒に過ごすことに「メリット」を感じているはずだ。

一方の親は、子どもがいることによって自分の自由を奪われたり、お金もかかったりと、意外にもデメリットを感じることも多い。では、どうして親は子どもを受け入れられるのかと考えてみると、「愛する子どもがここにいる」それこそが最大かつ唯一のメリットなのかもしれないと思えてくる。

亜希子の思う「結婚のメリット」が一体何なのかはまだ明かされていない。だが、ビジネスとは違い「一緒にいることそのものがメリット」と言えるのが家族であり、これから宮本家も少しずつそのカタチへと近づいていくのだろう。

『義母と娘のブルース』では、亜希子が母親になるために一生懸命に娘を愛する10年間を描いていく。お互い“異物”であった存在が、メリット・デメリットに囚われない関係になっていくまでの道程は、義母と娘という関係だけでなく、多種多様な人間関係の中で生きる私たちにとって、新たなバイブルとなりそうだ。


■竹野内豊、綾瀬はるか、佐藤健の関係性は謎だらけ!?

綾瀬はるか『義母と娘のブルース』

©TBS


気になるのは、良一と亜希子の関係性。二人きりで話しているときも結婚するほど気心の知れたパートナーには見えず、さらに良一は結婚について「亜希子さんにとって大してメリットのある話じゃない」と話し、一方の亜希子は「私なりの大きなメリットを感じてこの結婚に取り組んでいるんです」と答えるなど、損得を考慮して動いている時点で何らかのヒミツがあることは間違いない。

さらに、忘れてはいけないのが佐藤健演じる麦田章の存在。仕事をコロコロと変えるフーテンのダメ男が、宮本家とどう絡んでいくか。どうやら「麦田ベーカリー」の息子のようだが、まだまだ展開が読めないだけに期待は膨らむばかりだ。

第1話のラストでは、亜希子が空気を読まずに“お礼”の腹芸を披露したせいで、みゆきが「こんな人、知りません」とそっぽを向き、結局振り出しに戻ってしまった二人の仲。

だが、次回はいよいよ義母と父、そして娘の同居生活がスタートする。母親になるために必死で努力する亜希子の姿は、みゆきの心を動かすことができるのか。
『義母と娘のブルース』第2話は、7月17日夜10時から放送。

TBSテレビ 火曜ドラマ『義母と娘のブルース』
火曜よる10時から

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