離乳食もいつものごはんで「特別なことはしない」タサン志麻さん流子どもごはん
「弱火でじっくりしっとりヒレカツ」
伝説の家政婦として人気のタサン志麻さんは多方面で活躍する一方、一児の母としてママ業にも励んでいます。
前回のお話では、普段の献立は忙しくても作り置きはせず、毎日30分ほどで作って夕食を楽しんでいるとのことでしたが、お子さんの食事はどうされているのでしょう? 離乳食も手早く用意されていたのでしょうか?
さらに、もうすぐ冬のイベントシーズンが到来します。クリスマスや忘年会、新年会などのホームパーティを開く際、志麻さんはどんな料理でゲストをもてなすのでしょうか。自宅料理を一冊にまとめたレシピ本
『「作り置き」よりカンタンでおいしい! 志麻さんの自宅レシピ』より、大人も子どもも喜ぶ料理アイデアを教えていただきました。
タサン志麻さん プロフィール
大阪あべの・辻調理師専門学校、同グループ・フランス校を卒業し、ミシュラン三つ星レストランでの研修を終了。その後、日本の有名フランス料理店等で15年働く。2015年にフリーランスの家政婦として独立。家事代行マッチングサービス『タスカジ』で定期契約顧客数がナンバーワンとなり、「予約が取れない伝説の家政婦」と呼ばれるようになった。NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でその仕事ぶりが放映され、クール最高視聴率を記録。現在は『つくりおきマイスター養成講座』の講師や食品メーカーのレシピ開発などでも活動。フランス人の夫と子どもと3人暮らし。
■離乳食はわざわざ作らない! 煮込み料理やスープをアレンジ
――前回のお話では、フランス滞在中に経験した“調理時間は短く、食事時間を重視する”を見習って、普段から作り置きはせずに、毎晩30分ほどで手早く夕食の用意をしているとのことでしたが、育児中もそのスタンスは変わらなかったのでしょうか?
タサン志麻さん(以下、志麻さん):そうですね。
ほとんど意識していませんでした。またフランスの話になるのですが、フランス人には育児中にわざわざ離乳食を作るという感覚があまりないようで、基本的には大人が食べているものの中から子どもが口にできるものを食べさせます。
もちろん、香辛料や塩分は控えめにしますが、スープや煮込み料理などを作れば、大人はもちろん、小さな赤ちゃんでも具をすり潰せばおいしく食べられますしね。これならお母さんの負担も少なくてすみます。
日本にいるときは「離乳食は特別に作るもの」という考えが強かったため、フランス人の育児に対する柔軟な姿勢を目の当たりにしたときに、「これでいいんだ」と肩の力が抜けたのを覚えています。
我が家にも1歳の息子がいますが、ピューレやポタージュなどはよく作っています。コトコト煮込んでいる間に子どもの相手や家事ができるので一石二鳥。
同書では「なすとかぶのポタージュ」のレシピを掲載しています。
冷蔵庫にある野菜でも応用できるので、ぜひ試してみて。小さなお子さんのいるご家庭は、塩・こしょうを控えめにして作り、大人は食べる際に各自で塩味を追加すればOKです。
「なすとかぶのポタージュ」