連載記事:夫にイライラするのはどうして? 脳から科学する“妻のトリセツ”
悪気のない“やらかし夫”が妻ともう一度やり直すには?【夫にイライラするのはどうして? 脳から科学する“妻のトリセツ” 第3回】
■「まるで水と油」の夫婦が多いのには理由があった
――エアコンの温度、食べ物の好み、子育ての価値観など、ことごとく意見が対立する夫婦も多いと聞きますが…。
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黒川さん:動物のオス・メスは、自分にない強さを持つ相手にほれるようにプログラミングされています。フェロモンという匂い物質の種類が、免疫抗体の型の遺伝子と一致するといわれているのです。
つまり、動物は「自分が何に強いのか」を体臭で異性に知らせあっている。そうして、自分にない強さを持つ相手にほれるわけ。
寒さに弱い人は、寒さに強い相手に、寝つきの悪い人は、寝つきのいい相手に、おっとりな人は、せっかちな人に。そうすれば、子孫に豊かな遺伝子のバリエーションを残せるし、自分たちが生存する可能性も上げられますよね。
強くひかれ合った2人ほどこの傾向は高く、とっさに意見が分かれることに。
それも、愛があるからこそです。対立した場合の切り抜け方を、よくある会話の例と模範解答でご紹介しましょう。
●外食時、夫がそばを食べたい、妻はパスタにしたい、ともめたら?
夫は「パスタなんて胃がもたれる」なんて言ってはダメ。
「君にどうしても食べさせたいそば屋があるんだよ。そこに付き合ってくれない?」と言えば、「あら、そうなの? いいわよ」となります。
●お受験問題。私立派の妻、公立派の夫で対立したら?
「経済的に厳しい」「俺は公立で十分だった」と言っても理解は得られません。
「君の言うこともわかる」と共感したうえで、「ただ、僕には思いがあるんだ。
男の子は地元の友だちが必要なんだよ。放課後や夏休みになにかとつるんで、一緒に大人になる友だちがさ。
だから、地元の公立に行かせてあげたい。最近は公立もよくなってるらしいし一度、見学に行かないか?」と誘ってみましょう。
妻と夫の意見が対立した場合、夫は相手の弱点を突くところから始めがち。でも、それでは大抵うまくいきません。
まず「君の言いたいことは分かる」と共感したうえで、上記のように「こちらの利点をあなたにプレゼントしたい」という言い方をしてみてください。そうすれば、無駄な衝突は避けられ、夫婦円満な日々が訪れるでしょう。
これまで3回にわたって、脳研究者の黒川伊保子さんに、男女の脳の違いで生まれるコミュニケーションギャップとその対処法をうかがってきました。
今までパパにとって不可解だった妻の言動も「あ~、これはこういうことね!」とストンと落ちたのでは!?
我が身を振り返り「もう手遅れ」と感じたパパは、今すぐ黒川流夫婦円満術を実践すべし。いつでも挽回は可能です!
参考図書:
『妻のトリセツ』(講談社+α新書)
いつも不機嫌、理由もなく怒り出す、突然10年前のことを蒸し返す……。ベストセラー『夫婦脳』『恋愛脳』の脳学者が、理不尽な妻との上手な付き合い方を、「あるある」な事例と供に紹介した指南書。
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