「かぞくのアトリエ」や「代官山ティーンズ・クリエイティブ」に続き「mother dictionary」(マザーディクショナリー)が運営する渋谷区の施設
「景丘の家(かげおかのいえ)」が東京・恵比寿にオープンしました。
「景丘の家」は、“子どもと食”をテーマにした地下2階、地上3階建ての施設で、赤ちゃんからおじいさん、おばあさんまで、世代を超えて楽しめる場所になっているのが特徴です。
恵比寿駅から徒歩10分もかからない、坂の途中に立地。かつての地名、「景丘町」にちなんで「景丘の家」と名付けられたこの場所は、もともと個人邸でしたが
「子どもたちのために活用してほしい」と渋谷区に寄贈され、これまでは地域の福祉活動などに使われてきたのだとか。約3年の準備期間を経て、スタジオやキッチンを完備した、
あらゆる世代が集える場所としてオープンしました。
ちょっと前となりますが、オープンニングイベントに筆者も息子と一緒に参加。ワークショップなどを楽しんできました。その模様を施設の魅力とともにレポートします。
オープニングイベントでは、入り口の茅壁を葺く様子も公開。
日本伝統の技術を見られる貴重な機会に(現在は完成済み)
駅から近い側の入り口は地下2階につながり、自転車を置けるスペースがたっぷり。ベビーカーも1階の受付までエレベーターで移動できます。
入り口には、イベントのために「釜浅商店」の大きなかまどが登場。炊きたてのおいしいごはんで、坂井より子さんが握ったおにぎりもふるまわれました。
季節の食材と暮らしの知恵を取り入れた常備菜で、坂井より子さんがつくるおにぎりは4種類。炊きたてのお米を味わえる贅沢さ。
1階のサロンには、なんと土間と囲炉裏やかまど、縁側があり、モダンながらもどこか懐かしい雰囲気。
イベントの日には、発酵食のスペシャリストである寺本りえ子さんによる、ぬか漬けと押し寿司、料理家の冷水希三子さんによる、串料理やイノシシ汁などの囲炉裏料理もふるまわれ、子どもたちで大いに賑わいました。
2階は、
渋谷区こどもテーブルの拠点のひとつとして、キッチンを使った「こども食堂」やワークショップが開催されています。
出迎えてくれるのは、二象舎の原田和明さんによるからくりおもちゃ。子どもも釘付けです。
増満兼太郎さんによる、大きな木の仕掛けの壁。葉の部分はいろんな形に動かせるオブジェになっていて、壁にかけることができます。
月に1回開催される
「こども食堂」は季節の食材を使い、地域のつながりを感じながら、みんなでテーブルを囲みます。かまどや囲炉裏を使った料理はもちろん、大勢で一緒に作って食べる体験は、子どもたちにとって、忘れられない経験になりそうです。
かまどで炊いたごはんに、つくねと田楽の串焼き、摘みたてのよもぎをすりつぶして作るよもぎ団子など、豪華な晩ごはんに。
オープニングイベントでは、輪島で陶器づくりをする陶芸家の松本かおるさんによる焼きしめ体験を開催。景丘の家の土と備前の土を混ぜ合わせ、釉薬を使わずに、土本来の素朴な焼きものを作るワークショップに、4歳の息子も参加してみました。
箸置きや動物、小皿を作るというもので、粘土のように手でこねて形を作っていきます。細かいものを作るのはまだ難しいので、丸い形を作って箸置きに。あっという間に形作り、あとは後日焼いてもらって完成を待ちます。炭やもみ殻、藁の自然素材を使って色を出すそうで完成まで数ヶ月。できあがりがどんな色になるのか、今から楽しみです。
そのほか、大きな枝からえんぴつを作る「studio fujino」さんの木のえんぴつづくりも開催。自然の形をうまく活用して作るえんぴつは、実用的でもあり、飾っても素敵そうです。