家事も育児も仕事も…“やらないといけないこと”に追われ、疲労困憊していませんか? 心に余裕がなくなっていませんか…?
そんなとき
禅の言葉を知っているだけで、心がふっと軽くなるかもしれません。
スヌーピーでおなじみのピーナッツの世界は、モノクロで描かれ余白が活きている点や、キャラクターのセリフの中などに、禅の世界と通じるものがあるそうです。
今回は「心をととのえるスヌーピー “悩みが消えていく禅の言葉”」より、私たちの毎日にそっと寄り添ってくれる禅の言葉を、ピーナッツコミックとともにご紹介します。
頑張らない自分を許そう。「無限清風」
禅の言葉に「無限清風(むげんのせいふう)」という言葉があります。
一切の制限をなくし、ただ清らかな風のみを感じれば、心は解き放たれるという意味で、いつでも心を開き、今ここにいる自分、今ここにいる世界をしっかりと見つめることが大切であるという意味の禅語です。
ピーナッツコミックでは、バイオリンの練習をしなければならないので家から出られないというマーシーを「やりすぎだ!」とペパーミント パティが外へ連れ出します。そして何をするかというと…木の下でリラックスするだけ。何をするわけでもありません。
何をするでもなく、ただリラックスする。そして、自分を再認識する。常にタスクに追われている生活から、少しだけ「頑張らない」「何もしない」時間で自分を見つめ直してみませんか。
そんな時間が取れないほど、“やらないといけないこと”に追われていると思います。でも「何もしない時間」が自分にとっても子どもにとっても誰にとっても大事だとわかっているだけで…違ってくると思います。
当たり前こそありがたい。「日照昼 月照夜」
太陽も月も、どんなときでも私たちを照らし、見返りを欲しがることもなく、惜しみなくエネルギーを注いでくれています。「日照昼 月照夜」(にっしょうちゅう げっしょうや)は、このように、当たり前のものとして享受しているものを今一度考えてみること、という意味があります。
ただじっとしているだけに見えるライナスはルーシーに、「背中にお日さまの暖かさを感じているんだ」と話します。当たり前だと安易に受け流すのではなく、当たり前こそありがたいものなのだと考え、お日さまの暖かさを背中に感じ、幸せな笑顔を浮かべるライナス。姉のルーシーも同じように背中に太陽の暖かさを感じ、微笑みます。
こんな当たり前でささやかなことに幸せを感じ、感謝できたときに、この「日照昼 月照夜」の精神が分かるのかもしれません。
ピーナッツコミックと禅の世界
数多くのベストセラー著書を手掛ける、禅僧・枡野俊明さんは、「ピーナッツコミック」に禅に通じるものを見出しています。自然の摂理の中に真実の声を聞くことは禅の基本ですが、スヌーピーもたびたび自然の情景を前に名言をつぶやきます。
そして、谷川俊太郎さんの翻訳にも禅に通じるものを感じられます。それは、お父様である哲学者・谷川徹三氏が、禅と密接な関係にある『茶の美学』という本を執筆されているからかもしれません。
禅や哲学…と難しく考えなくとも、かわいい絵とお話を眺めるだけで心が軽くなる一冊です。
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