コミックエッセイ:夫婦・子育ていまむかし
女遊びに狂って借金まみれ!…あの有名な石川啄木の短歌の背景にズッコケる 〜文豪クズ男列伝〜【夫婦・子育ていまむかし Vol.13】
お金にルーズで
逃げ癖があるのは父親譲り…?
父は村のお寺の住職、その唯一の男児で少年時代は成績優秀で神童として育ちます。病弱だったこともあって母からは溺愛され…わがままで自己愛が強い、いわゆる『自己中』な性格に育ってしまった(らしい)啄木。
そして住職であった父親が村人への強引な借金などで住職の座を追われることになり、それまでチヤホヤされていた啄木はハシゴを外された状態に。一家は経済的にも困窮します。
金にだらしなく、強引な行動に出たり嘘をついては責任から逃れがちな性格は父親譲りのようですね。お父さんもまた、自分の責任と向き合わなければならなくなると失踪してしまうんです(あぁ…なんてことだ…)。
こういったエピソードからは他罰的で心の弱さが目立つ、正直かなりのダメ人間に見えてしまう石川啄木。
でも、知っていくにつれ、ワタシは個人的にとても彼に親近感を感じるようになりました。
自分だって人の悪いところは妙に目についてイライラするくせに自分には甘いことってあるじゃないですか。
自分の自信のなさや心の弱さに向き合えず、言い訳や責任逃れをしてしまうことって人間誰しもありますよね。
…でも、じゃあ、そんな自分の弱さに向き合って、言葉を磨き抜いて、清らかささえ感じられるほどの作品として芸術の域にまで昇華できる人はなかなかいません。やはり天才…石川啄木!
センスある言葉選びと儚さを感じさせるリズム、三行分かち書きという当時としては斬新な手法。
リアルな感情を、言葉に、歌にして人々の共感を得た石川啄木の才能は…もっと生前に讃えられるべきだったと思います。
26歳で結核により亡くなったのは本人だけでなく周りも似たような状況でした。そんな貧困や社会的要因、生来のメンタルの生きづらさ、いろんなことが重なって誕生した作品だった…と別の気づきにもなった探究でした。
そんな背景を感じながら…石川啄木作品、読んでみると、きっと味わい深さが変わりますよ!
奴隷から総理大臣に! どんなピンチも とにかく明るい高橋是清とは?【夫婦・子育ていまむかし Vol.25】