コミックエッセイ:夫婦・子育ていまむかし
死の床で「馬鹿らしい!」と叫んだ森鴎外のエリート人生とは? 〜文豪クズ男列伝〜【夫婦・子育ていまむかし Vol.15】
死の床で「馬鹿らしい!」と叫ぶ
60歳で肺結核を患った鴎外が、死の間際に残した言葉がこれだなんて、どういうことなんでしょう?
そしてこんなに華やかな功績を残した人とは思えない『石見の森林太郎(本名)として死にたい』という遺言も残しています。
若い頃は人と喧嘩もたくさんしたけれど『自分以外みんな馬鹿』と思ってからは優しく振る舞うことができるようになった、という本人の言葉も。
…どこか歪んだ心が見え隠れしてますよね。
賢くて繊細で周囲の期待に応える器があったばかりに、自分の本心をずっと押し殺してきて生きてしまったのかもしれない鴎外。
本当は、エリーゼさんと結婚したかったのかもしれないし、医者ではなく文学者として、芸術家としてだけ生きていきたかったのかもしれません。
母、姉弟それぞれが「出会いと運」で大きく境遇が変わっていく様子を描く『山椒大夫』や、
安楽死とは? 罪とは? という難しい問いを江戸時代を舞台に罪人の島送り船を通して語る『高瀬舟』の中にも、鴎外の本音が散りばめられているのでしょうね。
親や周囲の期待が大きいと、その人自身が本当はどんなことがしたいのか、自分がどんな思いを持っているのかを見失うことって大いにあるんでしょうね。もちろん才能がある人の悩みなので、パンピーは心配しなくていいのかもしれませんが(笑)。
親としては我が子にも期待しすぎず、本人が本人の意思を見失わないようにしたいなぁ…とつくづく思いました!
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