恋人は大切だけど、家でずっと一緒はしんどい……。お互いのキャリアと時間を尊重する新しい住まいのカタチ

マイナビウーマン
転職や結婚、出産といった人生の大きな節目を迎える同世代が増え、自分自身もライフステージの転換期に入ったことを実感する20〜30代。どう働き、どこで暮らすのか――。選択肢が増えた一方で、将来への不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。

そんな多様化するライフスタイルを受け、オープンハウスグループと女性向けキャリアスクール「SHElikes」を運営するSHEは、関東1都3県に在住する男性100名およびSHElikes女性会員106名の計206名を対象に、「ライフステージ変化に伴う、キャリアと住環境に関する意識調査」を実施しました。

令和の夫婦や同居パートナーがキャリアと住環境を無理なく両立するには、どのような選択肢があるのでしょうか?新しい価値観や住まいの最前線を発表会で伺ってきました。

恋人は大切だけど、家でずっと一緒はしんどい……。お互いのキャリアと時間を尊重する新しい住まいのカタチ

■メンタル安定の秘訣は“戦略的夫婦別空間”?住環境ストレスへのリアルな声

自分らしい働き方や生き方を求め、ライフスタイルの多様化が急速に進む現代。その背景には、多様な働き方や子育て後の社会復帰、スキルアップへの意欲の高まりといった「個人の在り方の多様化」があります。一方で、都心部では土地高騰で土地面積や居住スペースが限られるなど、将来の住まいについてはあまり明るくないニュースも。


「個人の理想」と「住環境の制約」そして「パートナーそれぞれの価値観」のすり合わせが難しいという社会の声を踏まえ、本調査は実施されたのだとか。

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実際に、「現在の住環境において仕事やリスキリングのメンパ(メンタルパフォーマンス)が下がると感じるか」を聞いたところ、全体の51.0%が「下がる(頻繁にある・時々ある)」と回答しています。男性の38.0%に対し、女性は63.2%(男性の約1.7倍)と大きな差が。

発表会では、「寝ているすぐ隣でパートナーが仕事をしており、お互いに気を使ってしまう」「お互いリモートワークでミーティングをする際に、音漏れに困る」など、リアルなSHElikes会員の声も紹介されました。

筆者は「メンタルパフォーマンス」という言葉を初めて知ったのですが、確かに都内で同棲するカップルが暮らす間取りは1LDKが多め。お互いのライフスタイルの違いが原因でイライラするなど、適度な距離を保てない住環境がメンタルのコンディションにも影響しているのかもしれません。
恋人は大切だけど、家でずっと一緒はしんどい……。お互いのキャリアと時間を尊重する新しい住まいのカタチ

そんな中で、お互いの過ごし方を尊重しながら良好な関係を保つために重要視されているのが、戦略的な“夫婦別空間”。

実際の調査では、家の中に「自分仕様の別フロアや独立空間」を持つことが良好な関係の維持につながると思うかという問いに対し、全体の78.6%(男性61.0%、女性95.3%)が「つながる」と肯定し、家族団らんのための空間とは別に、あえて物理的な距離を置く「戦略的夫婦別空間」が支持される結果となりました。


■適切な距離を取るために新提案された「1LDK+M」

恋人は大切だけど、家でずっと一緒はしんどい……。お互いのキャリアと時間を尊重する新しい住まいのカタチ

不仲だから離れるのではなく、お互いのキャリアや時間を尊重するために別空間を確保する……そんな新たなパーソナルスペースとして両社が提案するのが、「LDK+M(メンパ空間)」と呼ばれる新たな間取り基準です。

“M”には自分自身のメンパ(Mental Performance)を最大化し、私(Me)を労り、心(Mind)を整えるという意味が込められているのだとか。生活動線から完全に切り離し、「扉を閉めれば別世界」の完全独立型空間であることや、朝は家事スペース、昼は書斎、夜はリスキリング空間など、時間やニーズに合わせて用途を変えることができるフレキシブルさがM空間を構成する要素だといいます。

恋人は大切だけど、家でずっと一緒はしんどい……。お互いのキャリアと時間を尊重する新しい住まいのカタチ

調査でも、「家族団らんのLDKとは別に、日常のノイズから離れてリスキリングに没入し、心身を整えるための自分専用ルーム(独立ワーク・学習スペース)をどの程度持ちたいか」という問いには、「強く持ちたい」(または既に持っていて大満足している)、「スペースがあれば持ちたい」という肯定的な回答が全体の75.7%(男性58.0%、女性92.5%)を占めています。

限られた敷地でも、3階建てなどの多層階住宅で縦の空間を活用し、パーソナルスペースを確保する間取りも人気を集めているそう。これからの住まいでは、同じ家に暮らしながらも適度な距離感を保つ空間設計がスタンダードになっていくのかもしれません。

会の最後には、オープンハウスグループで広報を担当する植田氏が「既成の間取りにとらわれず、キャリアも家庭も諦めなくていい新しい住まいのあり方をビジネスパーソンに提案していく」と語り、SHEマーケティングユニットの齋藤氏も「住まいは単なる生活の場ではなく、一人ひとりのキャリアを支える大切なインフラ。誰もが自分らしい生き方や仕事環境を選択できる社会を目指していく」とコメントを寄せました。


■時代に合わせて間取りもアップデート

一緒に暮らすパートナーと心地良い関係を保つために、個人の時間やライフスタイルを尊重する暮らしを提案した今回の調査。「一緒に住んでいるなら、なるべく同じ空間で過ごした方が良いよね」という先入観を現代のライフスタイルに合わせて柔軟にゆるめてもいい、というメッセージにも感じました。

誰かと一緒に住むのか、住まないのか、どんな暮らしがしたいのか……選択肢が増えた今だからこそ、 “自分にとって心地よい住まい”を考えるきっかけを作ってみてもいいかもしれません。

◇調査概要

ライフステージ変化に伴う、キャリアと住環境に関する意識調査     

調査方法:インターネット調査

調査対象:関東1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)に在住する働く男性100名、および同地域に在住する「SHElikes」女性会員106名(計206名)

調査期間:2026年5月18日(月)~5月24日(日) 

(取材・文:五十嵐紫月/マイナビウーマン編集部)

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