アジア初のトップモデル、山口小夜子。その軌跡を都現美でアーカイブ作品と辿る
三宅一生『馬の手網』を着た小夜子
故・山口小夜子の展覧会「山口小夜子 未来を着る人」が、4月11日から6月28日まで東京都現代美術館で開催される。
小夜子はアジア系モデルとして初めてパリコレクションに起用された、東洋の美を体現するトップモデル。パリ及び、ニューヨークコレクションで活躍し、資生堂の専属モデルも務めた。74年にはアメリカの『ニューズウィーク(News Week)』誌に“世界の4人のトップ・モデル”として紹介され、77年にはロンドンのアデルー社で製作されたボブヘアの「SAYOKOマネキン」が世界各国のショーウインドウを飾っている。
一方で、寺山修司監督の舞台『中国の不思議な役人』に出演すると、女優としての活躍もスタート。山海塾のオペラで衣装デザインなどを行うなど、クリエーターとしても活躍した。その後はファッション、映像、音楽、文学、舞踊などを融合させたパフォーマンスを展開。01年には各デザイナーが彼女にインスパイアされた作品を展示する「モーリの色彩空間 Part5 小夜子」展を開催されるなど、07年に急逝するまで常に時代の最先端を走り続けた。
同展では、雑誌や写真、スクラップブックなどの秘蔵資料や、資生堂のアーカイブ作品などとともに小夜子の軌跡を辿る。