オートクチュール、祇園祭など彩る刺繍にフォーカス、世界各地の衣装集めた展覧会
長刀鉾下水引「緋羅紗地 五彩雲麒麟図 刺繍」 2008年復元 公益財団法人長刀鉾保存会蔵
特別展示「超絶刺繍II-神に捧げるわざ、人に捧げるわざ-」が、4月18日から6月28日まで神戸ファッション美術館で開催される。
同展は祭礼などのハレの場の衣装で嗜好を凝らされてきた刺繍に注目。日本の祭りを代表し、美術的にも評価の高い京都祇園祭と長崎くんちにフォーカスした。会場では長刀鉾を飾る豪華な懸装品や長崎刺繍の職人技が紹介される。また、刺繍作品を創出する技術やその歴史と、それらを受け継ごうとする人々の取り組みにも迫った。
その他、18世紀のヨーロッパ宮廷で着用された男性衣装、金銀が煌めくドレスをはじめ、20世紀のパリを彩ったオートクチュールのドレス、江戸時代の振り袖や能衣装など、精緻な刺繍が施された衣装の数々が展示される。
また、6月14日には無形文化財に指定された長崎刺繍唯一の継承者、嘉勢照太による講演会「長崎刺繍の魅力」を開催。長崎刺繍の歴史的背景に加え、魚づくしの刺繍の復元秘話などが語られる。
更に、4月18日、5月9日、6月13日には刺繍作家でジュエリーデザイナーの雲井恭子によるオートクチュール刺繍の実演が、5月3日から6日までは小さな刺繍でくるみボタンをつくる体験イベントが行われる。