東京都現代美術館で開催中、ガブリエル・オロスコの展覧会図録【NADiffオススメBOOK】
「ガブリエル・オロスコ 内なる複数のサイクル」
各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・清澄白河の支店、ナディッフ コンテンポラリィ(東京都江東区三好4-1-1 東京都現代美術館内)です。
■「ガブリエル・オロスコ 内なる複数のサイクル」
1962年、メキシコに生まれたガブリエル・オロスコは、1990年代初め、フランスで愛されていた車シトロエンを3分割にして中を取り再構築した作品「La DS」を発表し注目を集め、その後も国際的な活動を続けて次世代アーティストにも大きな影響を与えてきた現代美術を代表する作家である。
運動、移動、軌跡、循環……オロスコの作品からは静止した写真や彫刻ですら、常に「動」が連想される。「ヨーグルトの蓋」「空の靴箱」「猫とスイカ」など、身近な物や事象に少しだけ介入し現象を表出させた作品は、後に場所や時間を越え変容し続け、時に物事の構造をも浮かび上がらせる。
現在、東京都現代美術館にて5月10日まで開催中の国内初個展の公式カタログである本書は、出展作品に加え過去の代表作品カラー図版とともに、50頁におよぶ作家本人の自作を語る長編インタビューを収録。