20世紀の巨匠サイ・トゥオンブリー、原美術館で日本初個展開催。紙の作品フォーカス
「Proteus(プロテウス)」 1984年 76×56.5cm アクリル絵具、色鉛筆、鉛筆、紙
原美術館は20世紀を代表する巨匠の日本初個展となる「サイ トゥオンブリー:紙の作品、50年の軌跡」を開催する。期間は5月23日から8月30日まで。
サイ・トゥオンブリー(Cy Twombly)は、50年代前半に作家としての活動をスタート。当時のアメリカでは抽象表現主義が席巻しており、一見子供の落書きにも見える即興的な作風は、その影響によって育まれた。やがてアクションペインティングを発表するようになると、手で描くという身体的所作によって、内なるエネルギーを即興的かつ激情的に表現。57年には拠点をローマに移し、この地に伝わる神話や歴史、文学作品をモチーフに取り入れるようになる。その後、79年にニューヨークのホイットニー美術館で回顧展が行われると、これを機にトゥオンブリーの名は一躍世界に知られるように。晩年には高松宮殿下記念世界文化賞、ヴェニス ビエンナーレ金獅子賞、レジオンドヌール シュヴァリエ勲章などを相次いで受賞している。
トゥオンブリーの作品では即興的に描かれる線と絵具の飛沫に、文字、数字、記号などが無秩序に組み合わされている。