森本千絵「波打ち際のようにアナログとデジタルを行き来する視点を持つ」--2/2【INTERVIEW】
Photo by Kazan Yamamoto (c) FASHION HEADLINE
―森本さんにとって「母の日」はどんな日ですか。私の母は誕生日が5月8日で母の日とすごく近いんです。なので、子供の頃からどうやって差別化するか考えていましたね(笑)。誕生日には買ってきたプレゼント、母の日には自分で作れるもの、買えないものをあげることにしていました。だから、母の日には自分でお話を考えて、絵本にしてあげることが多かったですね。小さい頃から、両親や友達に手描きのグリーティングカードをあげるのが好きだったんです。カードを作ってプレゼントして、喜んでもらう。そこで褒められて、次はもっと上手く作るというのを繰り返すうちに、だんだん技術が上がってきて今の私になっているんです。
―人の手から生まれるクリエーションとデジタル技法によるクリエーションが共存する時代です。アーティストとして今の時代について、どう思われますか。デジタルな表現でも見る人に答えを委ねるような解釈の幅や想像するスペースが大切だと思っています。デジタルに正解が決まっている世界だけだと、みんな疲れて変になってしまう。だから、波打ち際のように、温かい世界とデジタルな世界を行き来しながら作品を作っていくのが今の時代ではないかと感じています。