くらし情報『大正の若者が青春を刻んだ木版画集『月映』刊行100年記念展カタログ【NADiffオススメBOOK】』

大正の若者が青春を刻んだ木版画集『月映』刊行100年記念展カタログ【NADiffオススメBOOK】

「月映:Tsukuhae」井上芳子(和歌山県立近代美術館)、藤本真名美(和歌山県立近代美術館)、寺口淳治(広島市現代美術館)

「月映:Tsukuhae」井上芳子(和歌山県立近代美術館)、藤本真名美(和歌山県立近代美術館)、寺口淳治(広島市現代美術館)

各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は愛知・名古屋の支店、ナディッフ愛知(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター地下2階)です。

■「月映:Tsukuhae」井上芳子(和歌山県立近代美術館)、藤本真名美(和歌山県立近代美術館)、寺口淳治(広島市現代美術館)

大正初期、当時画学生であった田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎によって企画された詩と木版画の同人誌『月映(つくはえ)』が創刊された。

この版画誌は、1914年9月から1915年11月の間に7号、文芸誌『白樺』の版元であった洛陽堂から200部という限定部数で刊行され、当時はあまり売れなかったが、洋画や日本画が主流とされていた日本の美術界における「創作版画」の先駆けとして、今では稀有で重要な版画誌と位置付けられている。

当時不治の病といわれた結核に罹った田中恭吉が、療養のため帰郷しながらも最期の時まで命を刻むように版画や詩の制作・発表を続けたように、「死」

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