“音楽界の異端児”エリック・サティの活動記録【NADiffオススメBOOK】
「エリック・サティ展 」監修:オルネラ・ヴォルタ、訳:大森達次
各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ(NADiff)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)です。
■「エリック・サティ展 」監修:オルネラ・ヴォルタ、訳:大森達次
「〈犬のための〉ぶよぶよした前奏曲」など、シニカルでユーモラスなタイトルを作品につけたことでも知られる、フランスの音楽家エリック・サティ。革新的な技法により、その後の西洋音楽に大きな影響を及ぼしたサティだが、その作風と変わった言動から“音楽界の異端児”と称された。鼻眼鏡に山高帽、やぎ髭をユニフォームとし、雨でもないのに傘を持ち歩き、死後、サティの部屋から夥しい数の雨傘の山が発見されるなど、その変わり者エピソードは数知れず。
サティが生きた時代、美術の分野ではフォーヴィスム、キュビスム、ダダイスム、シュルレアリスムなど様々な芸術運動が次々と展開。サティは、同時代の芸術家、ピカソやコクトー、マン・レイ、デュシャンなどの作品に強く関心をもち、芸術家たちもまた、サティの音楽を愛し、影響を受け、自らの作品に変換していった。