ファッションにおけるデジタルの可能性を体感せよ。新宿伊勢丹にデジタルコンテンツが集結
バーチャルフィッティング「メモミ」では試着した画像を比べたり、ミラーの中の衣類の色を変えることが可能
トレンドファッションを発信する本館2階では、先月開催されたファツションとテックが出合う場を創出するグローバルなサミットDecoded Fashion内で行われたコンペティション「ISETAN CHALLENGE」で選ばれた日本初展開の360度から試着姿を確認できるミラー「メモミ」や、世界初の生地3Dプリンター「エレクトロルーム」など、リテールやファッションビジネスにおける新たな可能性を示唆するアイテムを紹介する。
また同フロアでは、アンリアレイジ(ANREALAGE)のブラックライトを当てると柄が可視化されるテキスタイルを使ったファッションや、ソマルタ(SOMARTA)の縫製ニットで構築されたボディスーツの他、3Dプリンターで作られたアクセサリーやシューズも展開。
ひとつひとつのプロダクトやアプローチは異なるが、どれもデジタルテクノロジーを駆使することでクリエーションやユーザーエクスペリエンスを創出している点が共通している。今は個々のブランドや企業としての取組みだが、これらの体験を一環してユーザーが受けることが出来るような未来を想像させる。
また、ソフトバンクと三越伊勢丹が行ったファッション・デザインの専門学生を対象にしたファッションハッカソンで誕生したペッパー(Pepper)も展示される他、人口知能を用いたファッションコーディネートアプリ「センシー(SENSY)」など生活を豊かにする将来性を秘めたデジタルソリューションを紹介している。
同館6階時の場では、ミラノサローネにも出展したジンズ(JINS)のメガネ型デバイス「JINS MEME」の体験スペースを用意。
グラフィックデザイナーの佐藤卓が監修を務め、ライゾマティクスの斎藤精一らが制作を行った同アイテムでは、メガネ型デバイスをかけた人の心の動きを可視化する。メガネという形はそのままに、デジタルテクノロジーをかけ合わせることで、自分自身の感情の動きを見つめるというまったく異なるアプローチをする点に面白みがある。ウェアラブルデバイスの可能性を体験することが可能だ。デジタルの可能性は計り知れない。こと、ファツションというフィジカルかつ情緒的な領域において、デジタルテクノロジーがどのような変化を生み出していくのか。今回のプロモーションが、ファッションの未来に向けた取組みのひとつの在り方なのかもしれない。
世界発の3D生地プリンター「エレクトロルーム」は、ポリエステルと綿を含む液体を型紙の上に噴霧することで縫目のない衣服を作る
縫目のない衣服を作るエレクトロルームのプレゼンテーションは、未来の洋服の作り方を示唆している
ブルーのブラックライトに反応して柄が可視化されるアンリアレイジの15-16FWコレクション
デジタルデータで構築されたソマルタの無縫製ニット