旅とクリエーションの幸せな関係。FACTOTUMデザイナー有働幸司--1/2【INTERVIEW】
スウェーデンでは念願叶ってロイ・アンダーソン監督と対面した有働幸司
旅をしない音楽家は不幸だ、とモーツァルトが言ったように、日常の喧騒から解放してくれる旅は、クリエーションにおいてもまたとない栄養になる。それは、海外でもその名を知られるファクトタム(FACTOTUM)のデザイナー、有働幸司がコレクション制作を前に欠かさず世界をさすらう事実からも明らかだ。
ーーブランド立ち上げ当初より旅をテーマにしてきたファクトタム。その狙いを教えていただけますか。
ラウンジリザード(LOUNGE LIZARD/友人とともに立ち上げたブランド)の頃は徒手空拳でリアルクローズを追求しました。自らの経験値が問われる点でやりがいのあるアプローチでしたが、改めて、旅とはモノづくりに深みを出してくれる行為だと思っています。街を歩けばありのままの文化に接することができ、それがそのまま新たな引き出しになりますから。
ーーどのように訪れる街を選ばれるのですか。
まずはコンセプトを決めます。好きな映画や小説、アーティスト、あるいは時代感など、それはその時々でさまざまです。で、そのコンセプトにふさわしいエリアを抽出します。