新進気鋭写真家・濱田祐史の3原色を用いた視覚表現実験【NADiffオススメBOOK】
3原色を用いた視覚表現実験、『C/M/Y』濱田祐史
■『C/M/Y』濱田祐史
国内外で活躍する写真家・濱田祐史は、視覚表現のひとつである写真を通して、「見る」ということはどういうことなのか?という問いについて探究し続けている。
「色」と「形」の組み合わせによって現れる写真表現に挑戦した新作が「C/M/Y」シリーズ。デジタルポラロイドで撮影した写真を、シアン、マゼンタ、イエローの3つに水中分解し、そのはがした膜面を紙に乗せて再構成するという実験的な作品だ。
そこでは、自身で撮影した作品だけでなく、ポストカードの複写やインターネット上の画像などを使用し、様々なイメージを重ねることによって新しい画像を生み出している。
「C/M/Y」作品より8作を選び、印刷の段階でさらにもう一度それぞれの色を分解し、シアン、マゼンタ、イエロー3色の紙の上に印刷し、ページを構成したのが本作『C/Y/M』で、イメージと色の組み合わせによって無限に広がっていくような愉しさを感じることができる。
印刷のプロセスや使用する紙を慎重に選んだという、オランダの出版社「Fw:photography」のデザイナー、ハンス・グレメンによる美しい装本も魅力で、作品の記録集としてではなく、「書籍」というひとつの表現媒体に向き合ったアートブックとなっている。
【書籍情報】
『C/M/Y』
著者:濱田祐史
出版社:Fw:photography
判型:A4変形/64ページ・限定1500部
発刊:2015年
価格:4,500円
3原色を用いた視覚表現実験、『C/M/Y』濱田祐史
3原色を用いた視覚表現実験、『C/M/Y』濱田祐史
3原色を用いた視覚表現実験、『C/M/Y』濱田祐史