2015年9月17日 22:00
新進気鋭写真家・濱田祐史の3原色を用いた視覚表現実験【NADiffオススメBOOK】
3原色を用いた視覚表現実験、『C/M/Y』濱田祐史
各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・恵比寿の本店・ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4NADiff A/P/A/R/T1階)です。
■『C/M/Y』濱田祐史
国内外で活躍する写真家・濱田祐史は、視覚表現のひとつである写真を通して、「見る」ということはどういうことなのか?という問いについて探究し続けている。
「色」と「形」の組み合わせによって現れる写真表現に挑戦した新作が「C/M/Y」シリーズ。デジタルポラロイドで撮影した写真を、シアン、マゼンタ、イエローの3つに水中分解し、そのはがした膜面を紙に乗せて再構成するという実験的な作品だ。
そこでは、自身で撮影した作品だけでなく、ポストカードの複写やインターネット上の画像などを使用し、様々なイメージを重ねることによって新しい画像を生み出している。
「C/M/Y」作品より8作を選び、印刷の段階でさらにもう一度それぞれの色を分解し、シアン、マゼンタ、イエロー3色の紙の上に印刷し、ページを構成したのが本作『C/Y/M』で、イメージと色の組み合わせによって無限に広がっていくような愉しさを感じることができる。