2016年3月20日 22:00
テーブルの下に広がる都市、重力を無視した家具をデザインするステリオス・モーサリス
(c) Stelios Mousarris
キプロス出身のステリオス・モーサリス(Stelios Mousarris)は模型制作を学生時代に学び、アシスタントデザイナーを経てデザインに目覚めた。その後、彼は自身のユニークでハイクオリティな家具を作り出すため、2014年に独立し自身の会社「Mousarris」を設立した。最近ステリオスが手がけたものは「Wave City」コレクションというダイニングテーブルとコーヒーテーブル。木材とスチール材を駆使し、3Dプリント技術で都市の街並みを表現したものとなっている。大きく曲げてうねらせることで波のように見せ、テーブルの形へと仕上げている非常にインパクトの強い作品だ。発表された直後、周囲はクリストファー・ノーラン監督の映画『インセプション』にインスパイアされて作られたのだろうと噂していたようだが、本人曰くそうではないという。全く異なるもの2つを組み合わせて1つのものを作り出すことをコンセプトとし数々の作品を生み出してきた彼は、「Wave City」では海という完全な自然物と、都市という完全な人工物を組み合わせることが目的だったそうだ。そのコンセプトは彼の過去の作品にも確かに感じることができる。