【ルック】キム・ジョーンズによるフェンディ 2022年 春夏 クチュールコレクション発表
滑らかな生地はきらめく身体にドレープを描き、バゲットビーズが光を浴びて輝き、手刺しゅうを施したタイツはまるで皮膚のようにフィットしています。これらは、超越的なエネルギーに満ちたこの世ならざる姿。「ローマには、都市としての確かな精神性があります。それは必ずしも宗教的なものではなく重層的な歴史の中に存在しているものなのです」と、キム・ジョーンズは続けます。
現代のクラフツマンシップと伝統的技法を駆使したコレクションは、ローマの情趣を反映し、過去と現在の間に調和を見出しています。伝統的なビーズ細工とマザーオブパールで装飾されたモチーフを撮影し、そのイメージを歪曲した上で、ぼんやりとした影と共にラグジュアリーなダッチェスシルクとオーガンザにプリントしたドレスが輝きを放ちます。フェンディが本社を構える「イタリア文明宮」の、アイコニックなアーチの中に存在する古典主義の彫像は、刈り毛のミンクとベルベットに、ドラマティックなキアロスクーロで施されています。極小のスパンコール、ミンクやパールで刺しゅうを施したレザーは、ローマのコリント式レリーフを模したものです。
クチュールの真髄たる構造を露わにすべくあえてアンダーピニングをむき出しにしています。