くらし情報『【サスティナブルな社会科見学】3世代先の森林を守る山守の仕事。循環する木の物語--vol.1』

2016年5月16日 17:00

【サスティナブルな社会科見学】3世代先の森林を守る山守の仕事。循環する木の物語--vol.1

実生の木。苗木から植林されたものと違い自生する実生は強く根を張るという。

Photo by Saori Shinohara(c)FASHION HEADLINE


奈良県吉野郡吉野町。大阪から電車で2時間半ほどで来られるこのまちは、縦に長い奈良県の真ん中より少し上。吉野川が流れ、深い緑に包まれたまち。下千本、中千本、上千本、奥千本と時間差で咲いてゆく桜が有名で、折しも訪れたのは桜の季節。都心では満開だった桜も、ここようやく下千本から見事な花を咲かはじめた頃だった。ここに来た目的の一つは、森林の番人ともいえる「山守」に会って循環する木の物語を知ること。
さて、まずは深い山を探索してみよう。■山のこと、木のこと、吉野のことを伝えたい雨の後の湿った大地。苔の緑がいっそう鮮やかに見える深い山林に私たちは入らせてもらった。案内人は中神木材の中井章太さん。そう、この人こそが私たちが会いたかった「山守」なのだ。山守という職業をご存知だろうか。歴史は500年以上という吉野林業。吉野の地のほとんどを覆う森林の、不在所有者にかわって森林の管理や保護をするのが山守たちである。
かつて沢山いた山守も、いまや吉野郡で50人程度だという。山守は世襲制で、中井さんはなんと7代目。吉野木材の生産事業を営むかたわら、家具やまな板などの吉野木材をつかった商品を開発したり、「山守モニターツアー」

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