永久保存版、イラストレーター安西水丸初の作品集。村上春樹も寄稿【NADiffオススメBOOK】
各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は愛知・名古屋の支店・ナディッフ愛知(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター地下2階)です。■『イラストレーター 安西水丸』安西水丸(1942-2014)は、書籍の装丁、雑誌やポスター、絵本や漫画の制作、小説やエッセイの執筆等、多岐にわたり活動したイラストレーター。電通、ADA(NYのデザインスタジオ)、平凡社を経て、80年代からは長年フリーのイラストレーターとして活躍していたが、惜しくも2014年に急逝。雑誌やムックで追悼特集等は度々組まれてきたものの、意外にも“作品集”は初の刊行となる。本書は、「小さい頃からずっと絵を描くことが好きだった」と語る氏の手がけた仕事と作品約600点を通観でき、巻末には年譜が付された永久保存版と呼ぶに相応しい充実のボリューム。
全体を通じて、要素がそぎ落とされた画面にシンプルな線、肩の力が抜けた柔らかな描画、ユーモラスで洒落の効いた視点等が相俟って、どこまでも安西水丸的なヘタウマ感が貫かれている。